小説いろいろ

3月に、思いがけず入院することがあったので、久しぶりに小説を読んだ。もともと本は好きなのだが、最近は通勤電車では音楽を聴いたり音楽関係の本を読むばかりで、小説から離れていた。しかし病院の売店で本を眺めているうちに、やっぱり読みたくなって、数冊を買って読むことにした。
ビタミンF (新潮文庫)
重松清「ビタミンF」。実は、重松清の本を読むのは初めて。わりと人気あるし、今更「初めて読んだ」って書くのも恥ずかしいくらいだが、ま、初めてなのだ。家族をテーマにした短編集。本格ミステリが好きな私としては、各編の結末が完璧じゃない印象を抱いたが、ミステリじゃないから、これはこれでアリなのだろう。実際、リアリティはあるし、主人公に感情移入しながら読了。

分身 (集英社文庫)
東野圭吾「分身」。東野圭吾は、これまでにもいろいろ読んできた。漢字二文字のタイトルが多いから、これも読み始めてから「あっ、これ、読んだことあるやんけ!」とならないように用心した。東野圭吾は、当たり外れがあるっちゅうのが個人的な印象だが、この作品は、その中間かな。謎を秘めた登場人物がどんどん登場し、気が付けばどんどん読み進めてしまっているというパターンはいつも通りだ。要するに、面白かったということか。

光媒の花 (集英社文庫)
道尾秀介「光媒の花」。連作短編集。どの短編もなかなかスリリングで面白い。それ以上はネタバレになるから、ここには書けへんな。私が読んだ道尾秀介の作品としては「シャドウ」に続いて二作目。これだけで判断するのは無理があるが、この作家は、短編の方が上手いかも。

そうこうしているうちに、無事、退院したのだが、しばらくは通勤電車でのミステリ読書は続いている。

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