高内春彦”JAZZ GUITAR CONCEPT”

JAZZ GUITAR CONCEPT(CD付) (jazz guitar book Presents)

高内春彦HARU氏の充実した教本(あるいは指南書?こういう本ってどう呼ぶんやろ?)、Advanced Jazz Guitarを読み終わった。内容が高度だったので消化不良の部分も多いのだが、また繰り返し読むことにして、今は、続編の「JAZZ GUITAR CONCEPT」を読んでいる。

この本では、プレイヤー兼コンポーザーだった巨匠をテーマとし、主にその作曲の観点からレクチャーが行われる。エリントン、ジャコ、ウェス、ショーター、マイルス・・・。すごいなぁ。前作同様、コードに関する考察とか説明が高度であり、それだけに味わい深い。ちょっとしたコード進行に対しても、「あぁこういう風に考えるのか」「こんなヴォイシングがあるのか」などと感心しながら読み進めてしまう。もちろん、ギタリスト向けの実践的な内容でもある。やっぱり難しすぎて理解できない部分も多々あるのだが、これは前作同様、今後繰り返し読むお楽しみとしてとっておこう。

これもまた前作同様であるが、巨匠との逸話や音楽に対する心構えなど、とても刺激的な内容が豊富で、読み物としても楽しめる。これだけの情報をコンパクトにまとめた本って、他にないよなぁ。

あと、付属CDの演奏が、すごくイイ。ギター&ベース、あるいはギターソロという編成で安あがりに仕上げたのかもしれないが(!)、演奏自体は素晴らしいグルーヴを感じさせる。ギターの息遣いというか、パワーというか、生命力みたいなものを強く感じる。

この人のライブに、行ってみたいなぁ。そして、この本で疑問に感じたことを、質問もしたいなぁ。

ジャズ・スタンダード・バイブル2

ジャズ・スタンダード・バイブル2 ~セッションをもっと楽しむ不朽の227曲 (CD付)

ジャズ・スタンダード・バイブル2(セッションをもっと楽しむ不朽の227曲)を入手した。「ジャズ・スタンダード・バイブル」の続編。

前作でカバーできなかった名曲がうまく網羅されており、これからかなり重宝しそう。この続編で取り上げられている素晴らしい曲目を見ていると、わりと充実していたはずの前作でも不十分だったのだと感じる。「えっ、この曲が前作に入ってなかったの!?」という驚きが多い。

「どスタンダード」で飽き足らないプレーヤーにとっては、この本は必携となることだろう。私も、この曲集を活用して、以前に練習した曲や知っているだけの曲などをどんどん弾き倒していこうと思う。

New York ジャズ・ギター・スタイルブック

NEW YORKジャズギター・スタイルブック CD付

ジャズギター界ではトレンドをとらえたというか、でもやっぱりマニアックというか、とにかく興味深い本が出版されたもんだ。これはとにかく入手せないかんということで、楽器店で購入。

  • カート・ローゼンウィンケル/Kurt Rosenwinkel
  • アダム・ロジャース/Adam Rogers
  • ジョナサン・クライスバーグ/Jonathan Kreisberg
  • ジュリアン・レイジ/Julian Lage
  • マイク・モレノ/Mike Moreno
  • ラーゲ・ルンド/Lage Lund
  • ベン・モンダー/Ben Monder
  • スティーヴ・カーディナス/Steve Cardenas
  • ギラッド・ヘクセルマン/Gilad Hekselman
  • ニール・フェルダー/Nir Felder

NYのコンテンポラリーなスタイルのギタリスト10人について、経歴やプレイスタイル、使用楽器などを紹介した後、コンテンポラリーな演奏の技術について解説、最後にこのようなスタイルをスタンダードに適用する例を提示、という構成。ギタリスト紹介については、情報収集をすれば同じような情報があるまるのかもしれないが、技術解説は、なかなか貴重だ。これから秋の夜長、じっくり楽しんでみよっと。

jazz guitar book vol.35

jazz guitar book [ジャズ・ギター・ブック] Vol.35 (シンコー・ミュージックMOOK)jazz guitar book vol.35を入手。特集はジャム&グルーヴ。ジョンスコへのインタビューなどをメインに、ジャムバンドについて考察されている。今までジャムバンドなるジャンル(?)は考えたことなかった。それにしても、このムック、次々と特集ネタを思いつくものだが、内容の充実度は、世界中探しても類を見ないレベルだと思い、いつも感心してしまう。

ジョンスコのインタビュー記事では、Avi Bortnick アヴィ・ボートニックについて書かれていて、その顔写真を見て、思い出した。2003年にRochester, NYでジョンスコのライブを観に行った時にステージにいた一人だ。ステージにノートパソコンを持ち込んで操作していたギタリストで、「この兄ちゃん何してんねん」って感想を抱いた記憶があるが、ジョンスコにとっては信頼できる仲間だったのね。よくよく調べてみると、おそらくあのときドラムを叩いていたのはAdam Deitch アダム・ダイチだったようだ。私が目の前で観た・聴いたのは、いわゆるuberjamの主要メンバによる演奏だったということか。なんちゅーええ加減なリスナーや。

さて、他にはMike Morenoのインタビュー記事も。彼のセミナーに参加したことが記憶に新しいが、その時と同じ印象の、ややお疲れに見えてしまう神経質そうな表情の写真。リーダとしては今回が初めての来日だが、2005年にはJoshua RedmanのElasticのバンドで来日していたそうな・・・って読み飛ばしそうになったが、そのJoshua Redmanのライブ、観に行ったぞ。そういえば、神経質そうなギタリストがいて、浮遊感のあるプレイをしていて、ライブ後にカウンタで何か飲んでたから妻が声をかけて、私も少し会話をした記憶があったが、あれがMike Morenoだったのか!

他にも、菅野義孝師匠による目からウロコのジャズギター講座はマイナー・ブルース、竹田一彦師匠のアルバム「I Thought about You」発売記念ライブ記事など、盛りだくさんな内容となっている。じっくり読んで楽しもう。

高内春彦「Advanced Jazz Guitar」

Advanced Jazz Guitar

高内春彦(Haru)著「Advanced Jazz Guitar」を購入した。ムック(というか、以前は季刊誌だった)Jazz Guitar Bookに連載されていたものを単行本化したもの。JGBは全て持っているのだが、今回、この単行本も買ってしまった。で、その充実した内容に、ハマりまくっている。ジャズギターの教本で、こんなに面白いものは、他にはないと思う。

JGBにおける同連載コーナーは、毎号買うたびにチラッとは読んでいただけだった。正直に言うと、Haru氏の語り口や説明の仕方がどうも自分に合わず、内容がよく理解できなかったのだ。説明がかなり簡潔で、裏を返せばあまり丁寧ではないように感じていた。なので、この単行本も数年前に発行されていたものの、手を出さずにいた。

それが、最近、ちょっと気になるテーマがあって過去のJGBを出してきてHaru氏のこの連載を読み直してみたら、すごくよくわかるんやな、これが。しかもとても素晴らしいアイデアが満載。基礎的なことはやってきた人が、一歩踏み込んだジャズを演奏しようという際には最適な内容。一流のプロのレッスンを受けているのと同じようだ(当たり前だが)。NYで巨匠たちと直接コミュニケーションしていた人だけに、いろんな逸話も興味深い。

そうなってくると、JGBをひっぱり出してきて連載コーナーを読むというのは少し不便で、結局単行本を買うに至った次第。単行本では、連載コーナーに少し加筆されているし、アルバム紹介のコラムも追加されているので内容はさらに充実したものになっている。薄い書籍なので、通勤のお供にもピッタリだ。

ただし、前述のように、説明が簡潔であることは間違いないので、自分でちゃんと考えながら読まなければ理解できないと思う。そして、記載されていることを実践するのが大事であることは言うまでもない。言うは易し、であるが・・・ま、じっくりと取り組もうと思う。

既に、続編であるJazz Guitar Cenceptも買っており、こちらも充実した一冊。

JAZZ GUITAR CONCEPT(CD付) (jazz guitar book Presents)

ジャズギターの金字塔 スタンダード編1

布川俊樹氏の名著「ジャズギターの金字塔」の「スタンダード編1」。この本は、私が初めて購入したジャズギターの教則本である。あれから十数年、時々取り出しては読み直している。

前半は、重要テーマである「コードワーク」と「アドリブソロ」を中心に、それらの考え方や実際の譜例、および解説。後半は、スタンダード曲のアドリブ例と簡単な解説(CD付属)。

正直に言うと、もともとクラシックギターしか知らなかった私は、はじめはこの本を読んでも「?」であった。その後、プロのレッスンを受けたり、自分で色々と勉強したり調べたりするにしたがって、この本のシンプルな発想が理解できるようになった。要するにコード毎のアヴェイラブルなスケールを当てはめてソロを弾こうというような考え方をせず、もっとシンプルにトニック/ドミナント/サブドミナントを弾き分けていこうという発想。ひょっとしたら、ロックなどのジャンルからジャズに入ってくる人は、私のケースよりもすんなり理解できるものなのかもしれない。

私は、結局、いろいろと回り道をしながら、時々この本の考え方で頭の中を整理し、そしてまた複雑な迷路に旅立つ(笑)ということを繰り返している。上達すればするほど、この本のありがたみが理解できる気がする。

この本の前半に書かれていることは概ね頭に入ったので(全てのフレーズを憶えたという意味ではなく、自分で考えられるようになったという意味)、最近は後半のスタンダードの演奏例を勉強中。

ジャズギターの金字塔 スタンダード編(1) 決定版!ジャズ・ギターの金字塔 豊富な譜例とジャズ・スタンダード13曲の模範演奏を収録(CD2枚付き)

廃刊された後に数年前に復刻版が出版されたが、それも現在は新品は流通しておらず、Amazonなどでの中古品の出品しかないようなのが残念。

2012年夏に初めて布川氏のライブに行って、旧版の扉にサインをいただき、この本はますます私にとって宝物になってきた。宝物ではあるが、実用書として遠慮なく使いたおしている。

続 目からウロコのジャズギター

続・目からウロコのジャズ・ギター[実践編](DVD付) (jazz guitar book Presents)

師匠・菅野義孝氏の大好評の教本「目からウロコのジャズギター」の続編。前編はジャズギターの基本的なテクニックを「ハーモナイズ」「アドリブ」「バッキング」「リズム・ギター」といった切り口で分類し解説するという内容であったが、この続編はスタンダード7曲を取り上げ、それぞれについてアドリブやバッキングなどの解説をしてゆくという内容。季刊誌「Jazz Guitar Book」連載記事に校正・加筆したものである。

私自身は、前編もさることながら、この続編が非常に重宝している。やはり実際のスタンダード曲が取り上げられており、「こういうコード進行においては、どんなアドリブを考え得るのか」「2小節にわたる同一コードに対し、どんなコンピングが考えられるのか」などといった実践上の疑問に対する回答が示されている(注:本書自体はQ&A形式をとっていない)。

各曲にて提示されている豊富な譜例と解説を読み、気に入った部分については盗む、あるいはアレンジしておぼえる、といったことを繰り返すことで、かなり実践的な力がつくと思う。意外にこの作業には時間がかかるもので、私はまだ2曲ほどしか手を出せていない。逆に、この本一冊を全て学び終わったら、プレーヤーとして相当な力をつけていることになるだろう。

付属のDVDには、本書収録の7曲のうち4曲のデモ演奏が収められている。著作権の事情により、全曲録音とならなかったようであるが、4曲で十分だと思う。教本本体にこそ、価値があると感じる。

ジャズギターの教則本は星の数ほどあるが、真に実用的な一冊だ。

jazz guitar book vol.33

jazz guitar book [ジャズ・ギター・ブック] Vol.33 (シンコー・ミュージックMOOK)
jazz guitar book vol.33が出たので入手。特集は最近話題の「初期のウェス・モンゴメリー」。初期のウェスはおそらく聴いたことがないので、どんなんやろな。いくつかの録音が紹介されているが、聴かないことには、全く想像できん。Take the “A” Trainのソロの、Pat Martinoによる解説があるので、このアルバムでも買ってみるかなぁ。

菅野師匠の連載は「目からウロコ」は遂に「イパネマの娘」。サビの部分の解釈は、私が知っているものと異なっており、興味深い。いずれにしても、このサビの部分は私には難しい。

いつも楽しみにしている廣木光一氏のエッセイも、今回も興味深く読んだ。この人のライブは、一度行ってみたいのだが、なかなか機会がなくて残念。毎号のエッセイは見開き2ページしかないので、これまた残念。

以前に比べて薄くなっているjazz guitar bookだが、やっぱ特集記事はマニアックだし、インタビューとか興味あるし、で毎号買ってしまうのよねー。

目からウロコのジャズ・ギター

最近、FacebookやTwitterばかりいじっており、このブログを放置してました。いかんいかん。

目からウロコのジャズ・ギター(DVD付) (jazz guitar book Presents)

師匠の菅野義孝氏の「目からウロコのジャズ・ギター」が発売されたが、えらく大人気のようで、Amazonでは一週間程度待たなければ入手できない模様。シンコーミュージックのサイトでは在庫アリのようであるが、一定金額以上を購入しないと送料が必要となるらしいし、仕方なく、今更ながらAmazonで注文した。

Jazz Guitar Bookに連載されている同名の記事をベースにした書籍なので、実践的な内容であると想像している。届くのが楽しみだ。 入手でき次第、ここに感想などをアップします。暑い夏も、音楽で快適に乗り切りましょう!

東京ジャズ地図

東京ジャズ地図 (散歩の達人ブックス―大人の自由時間)

東京出張が多いので、手元に置いてある「東京ジャズ地図」。東京と神奈川のジャズスポット(ジャズ喫茶、ライブハウス、レコード店)を紹介している本。これ見ると、東京は、充実してるなぁと感じる。ジャズ喫茶にしても、書籍等でよく目にする有名店はもちろんのこと、その他のええ感じの店がたくさん紹介されている。関西にはこんなにたくさんないもんなぁ。

中古レコード店にしても、しかり。東京の店の充実度は、関西とは比べ物にならない。実際に東京出張ついでに店に行ってみたが、もう品ぞろえの質と量が圧倒的で、最近は私は関西の中古レコード店に行くことはなくなってしまった。

・・・愚痴になってきた。幸いなことに、関西もライブに関しては充実している。老舗ライブハウスでは毎晩熱い演奏が聴けるし、素晴らしいプレイヤーもたくさんいる。神戸、大阪、滋賀などでジャズフェスティバルが多数開催されている。そもそも音楽業界を取り巻く環境が厳しい今日ではあるが、音楽にどっぷり浸かりたい人間に応えてくれる世の中ではあり続けてほしい。

ジャズやねん関西(WAY OUT WEST)