Kazuhiko Takeda Trio “I thought about you”

I Thought about You / Kazuhiko Takeda Trio

師匠・竹田一彦氏の新作。遂にギタートリオによる作品。前作までと同様、スタンダードが中心。

Amazonで予約してたけど、手元に届いたのは発売日よりだいぶ遅かった。ま、ええか。いや、良くない。こんなすごい名盤、一日でも遅れて聴き始めるのは大きな機会損失だからだ!

とにかく素晴らしい。暖かいのに決して甘ったるくない音色、明快で色気のあるフレーズ、驚くほどカラフルでお洒落なコード、そしてリスナーに与えるグルーヴ。ジャズギターの一つの理想だ。一曲目I Thought about Youから最後のSt.Louis Bluesまで、この心地よいサウンドに酔いながら、あっという間に聴いてしまう。

今年77という年齢を全く感じさせないこの名演、本当に世界に誇る巨匠。これまでのアルバムの演奏をいくつか聴いていると、なんか、今も進化し続けられているようにすら感じる。それくらいに、この最新盤は素晴らしい。

この珠玉の一枚を聴かずにジャズギターを語ることなんて、想像できない。

高内春彦「Advanced Jazz Guitar」

Advanced Jazz Guitar

高内春彦(Haru)著「Advanced Jazz Guitar」を購入した。ムック(というか、以前は季刊誌だった)Jazz Guitar Bookに連載されていたものを単行本化したもの。JGBは全て持っているのだが、今回、この単行本も買ってしまった。で、その充実した内容に、ハマりまくっている。ジャズギターの教本で、こんなに面白いものは、他にはないと思う。

JGBにおける同連載コーナーは、毎号買うたびにチラッとは読んでいただけだった。正直に言うと、Haru氏の語り口や説明の仕方がどうも自分に合わず、内容がよく理解できなかったのだ。説明がかなり簡潔で、裏を返せばあまり丁寧ではないように感じていた。なので、この単行本も数年前に発行されていたものの、手を出さずにいた。

それが、最近、ちょっと気になるテーマがあって過去のJGBを出してきてHaru氏のこの連載を読み直してみたら、すごくよくわかるんやな、これが。しかもとても素晴らしいアイデアが満載。基礎的なことはやってきた人が、一歩踏み込んだジャズを演奏しようという際には最適な内容。一流のプロのレッスンを受けているのと同じようだ(当たり前だが)。NYで巨匠たちと直接コミュニケーションしていた人だけに、いろんな逸話も興味深い。

そうなってくると、JGBをひっぱり出してきて連載コーナーを読むというのは少し不便で、結局単行本を買うに至った次第。単行本では、連載コーナーに少し加筆されているし、アルバム紹介のコラムも追加されているので内容はさらに充実したものになっている。薄い書籍なので、通勤のお供にもピッタリだ。

ただし、前述のように、説明が簡潔であることは間違いないので、自分でちゃんと考えながら読まなければ理解できないと思う。そして、記載されていることを実践するのが大事であることは言うまでもない。言うは易し、であるが・・・ま、じっくりと取り組もうと思う。

既に、続編であるJazz Guitar Cenceptも買っており、こちらも充実した一冊。

JAZZ GUITAR CONCEPT(CD付) (jazz guitar book Presents)

ベースとデュオ練習

ベースのIchiroさんとデュオ練習。

There is No Greater Love、St.Thomas、Misty、Another You、Bop-Be、Fly Me to the Moon、Straight, No Chaser。

秋のフェスティバルで演奏する予定のスタンダードが中心。毎回、同じ感想であるが、ドラムがいないと、かなりのプレッシャー。リズムがゆらぐ、ゆらぐ。逆に、メトロノームがあると、かなりいい感じでグイグイいけるので、マインドの持ち方次第なのだと思う。

Four & More以前から、この盤は必携だと思いながら、なんか買わずにいた。Greater Loveが収録されていることもあり、ついに購入。冒頭のSo Whatから、Tony Williamsとともに快走するMiles。トランペットの音色も、瑞々しい。

また明日から練習、練習。

久々のRhymin’

学生集会所が取り壊されるという話をしているうちに、どうしても学生時代に時々行った喫茶店Rhymin’に行きたくなった。

このお店、京大の学生(教員とか京大病院のスタッフも、かな)がわりと通い詰める場所である。私も大学に入学した直後からよく通った。マスターはお客さんを大事にされる人で、我々の自主企画の演奏会が定休日と重なった時には、わざわざ家族で聴きに来てくださったりしたものだ。

ということで、居ても立っても居られなくなり、週末に、家族でRhymin’することにした。妻子にとっては初めてのRhymin’だ。

久々に店内に入ったら、昼前の時間帯のため、わりと空いていた。店内のテーブル配置や雰囲気、学生時代と全く変わらない。うれしいなぁ。

水とお手拭きを運んでくれたマスターに挨拶したら、よく憶えてくださってた。学部を卒業して大学院生だった時に自主企画で実施した桂のバロックザールでの演奏会や私の演奏の印象などをよく憶えてくださっていて、感激。

メニューも、黄スパとか白スパとか、懐かしい。家族で、カレー、ピラフ、サンドイッチを食べながら、マスターと車やら時計やらの話もして、昼頃になりお客さんも増えてきたところで、会計をして店を出た。

懐かしい場所で、懐かしいマスターと話すことができて、嬉しかった。また、来る!

同じ東大路通りのカレー屋、ビィヤント。学生時代には、ここにもよく来たもんだ。

さらっとしたルゥで、味はかなり辛いのだ。私は特にベジタブルカレーが好きだ。少し贅沢をしたいときにはカツカレー。目の前でさっとカツを揚げてくれるのだ。辛めのカレーと一緒に食べると、カツが全くくどくない。

店のおばちゃんは、「うちのカレーは、辛いよ。甘口でも、ほかの店の辛口くらいよ」と自慢げに言う人である。今回、ちらっと覗いてみたら、おばちゃんがカウンター内で仕事してはった。学生時代から既に20年以上たったから、おばちゃんも年を取ったはずだが、変わらない感じだ。やはり嬉しいな。

この店にも、もう十数年、来ていない。そのうち来ようと思いながら、ずるずると時間がたってしまった。この辛さは子供を連れてくるのは難しいだろうから、今度、一人でぶらっと来ることにしよう。

さて、居酒屋の「よろずや」。ギタークラブの部員御用達。今の部員達は、来てるんやろか。

ここは、まだ酒のうまさなどがよくわからない学生時代、先輩に連れられてよく来た。当時は今ほどは焼酎文化が根づいていなかったから、いつもビール→熱燗という流れであった。ぺったんたん先輩は、いつも「バクダン」を飲んでたな。いまだに、あれは何だったのか、謎。

初めて「うにくらげ」を食べたのも、この店。今でも時々、うにくらげを買って食べることがあるが、いつもここで初めて食べた時のことを思い出してしまう。

最後はだいたいいつもお茶漬けを食べてお開きにして、皆でブラブラとBOXまで歩いて帰ったが、そのまま麻雀やる奴やらギター弾く奴やらまちまちだったが、基本的に私は酔っ払って椅子を並べて寝てたかなぁ。

この店も、ちょっと覗いてみたら、店内で夜の営業の支度をしてはった。また行こうっと。

今度は、近衛通りを東に入ってみたいな。

京大学生集会所

学生時代のほとんど全てを過ごした京大の学生集会所が、遂に、遂に、あぁ遂に取り壊されることとなったらしい。有名な吉田寮と同じ敷地にある、古くてボロい建物だが、私にとっては神聖な場所。

ちょうど、京都市内に行く用事があったので、家族で東山近衛~丸太町界隈を歩いてみた。

いきなりだが、東大路通りから学生集会所や吉田寮がある敷地に入る所の光景。ここを何度、学生時代に通ったことか。秋にはこの銀杏木が色づいて、黄金のトンネルになる。匂いもなかなか強烈であったが。

たまたまではあるが原チャリが倒れているところも、なんとも雑然としたこの場所の空気を感じさせる。

この正面奥が吉田寮。今回は寄らずに帰ってきた。学生時代にも、ほんの1、2回、興味本位で足を踏み入れただけであったので、あまりよくわからん。ひたすら埃の匂いがしたのを憶えている。

学生集会所の入口手前から、東を向く。何のビニールシート?

その奥が、我がギタークラブのBOX(部室)の窓。昔、夜中にBOXに行ったら、ドアの外の南京錠がかかったままなのに中からギターの音が聞こえた。不思議だと思いながら開錠して入ったら、某同級生が涼しい顔をしてギターを練習中。聞けば、BOXに入ろうとしたら暗くて南京錠の番号を合わせることができなかったから、仕方なくこの窓から侵入してたということであった。行動がおかしすぎる。

朝までBOXで飲んだり麻雀をしたりし、鳥の声が聞こえてきたのも、この窓からであった。秋の朝に近所のおばちゃんが銀杏を拾いに来てガサゴソやってたのも、この窓の下であった。

土日だからだろうか、この日は自転車の数が少なく感じた。いや土日ならなおさらサークル活動するんちゃうんか!学生たちよ、何しとるんや?あるいは、最近はここに集まる学生の数自体が減っているのだろうか。

そして、学生集会所の入口。あっ、手前が舗装されてる。以前は、舗装されてなかったので、雨の日などはぬかるみになってたり、ぬかるみの上に板が橋のように置かれてたりしたはず。なんか便利になってるな。

合唱団の看板の存在感が大きい。ギタークラブは入口左側に控えめに。昔から看板って、あったかいな?

この壁などは、おそらく建てられた当時のままなんやろな。古すぎる。

学生集会所に入ると、まずこの光景。すごい。全く変わってない!

「堂食」(=食堂?)って、なんで?

トイレの中は、怖くて覗かなかったが、これもまぁ変わってないんやろね。

水道水を「飲まないでください」って。これを飲もうという気には、なれへんから心配無用。

この棚はどの部のもので、中身は誰のものなのか?

入口付近、2階へ続く階段。これもやはり、学生時代から全く変わらない光景。

2階は、民族舞踊研究会やったかな。がらーんと大広間のようなフロアであった。練習が始まると、ドタバタして、1階のBOXの天井から塗装がパラパラと落ちてきたものである。

2階にはピアノがあり、2つ年上のピアニストの大井浩明氏がたまに弾いてはったような気がする。その同級生のメリ田牛也氏(仮名)も早朝に練習してはった。

ギタークラブや京都ギター連盟の練習で、たまにこの2階を使わせてもらったこともある。

今回は、下から階段を眺め、写真を撮影するだけで、2階に上がることはしなかった。特に理由はないけど。

入口を入って、東を向く。

書棚に譜面が整理されているが、これ、誰の?オケ?こんな所に置いてたら、すぐになくなるんちゃうの?奥の譜面台も然り。

このあたりの棚も、学生時代から変わってないのかもねぇ。昔は黒電話が置いてあったな。

手前の棚に架かっている黒い物体、なんか怖いぞ。

集会所の1階廊下の東の端(吉田寮側)から西を向く。

ギタークラブのBOXが入口付近だったから、学生時代はあまりそれ以上奥に入ることはなかった。この廊下の端まで来たのは、おそらく1、2回だろう。

それにしても、何とも退廃的な空気。壁も灯りも、おそらく全く変わってない。立てかけてある看板っぽいものは、何じゃ?

この画像、見てるだけで、埃っぽい香りが蘇ってくる。

この画像の左手の叡風会だけは、この日も誰かが中にいたようで、会話の声が聞こえた。あっ、でも部屋の場所が違うかな。何部かな。よくわからんわ。

右手の将棋部か囲碁部は、中を覗いてみたが、がらんとした畳部屋に扇風機が置いてあるだけで、かなり怖い雰囲気。

で、ギタークラブのBOX。

初めてこの扉からBOXに入った日のことを、今もはっきりと憶えている。人生の転落が始まった、記念すべき素晴らしい日だ。

この日は、誰もおらず、鍵を開けることができないから、BOXに入ることはできなかった。もし誰かいても、現役部員は知らんから入らんかったと思うが。

背伸びして中を覗いてみた。昔、窓際に置かれていた重厚な机が、BOXの真ん中あたりにきている。下宿していなかった頃、自宅に帰るのもめんどくさくて、この机の上に古くて汚い布団を敷いて、よく寝たもんだ。翌朝にどうしても出席しないとヤバい授業がある時なんかも、ここで寝たな。

この学生集会所、そしてギタークラブのBOX、建て替えられて、どんな感じになるのだろうか?

大学に入学した翌日くらいから入り浸り、大学院を修了して就職するまで離れることができなかった、この愛すべき学生集会所、BOX。吉田寮を含め、京都大学のカラーを凝縮したような(ホンマかいな~)この場所と香り。取り壊されるのはさみしいが、それも時代の流れだろう。ここだけは時間が止まっていることを確認できたが、いつまでも止まっていることはできないらしい。俺も前を向いて歩こう。