みんな大好きMike Stern。ギター小僧からのリスペクトが絶大であることは当然として、いつも思うのは、ギタリストじゃない人と話していると、Mike Sternへの評価が安定的に高いっていうこと。ジャズとかギターとかいう概念を超えた、ユニバーサルなセンスが隠されている(露出している?)ってことなのかもしれない。
Mike Sternといえば、トラディショナルなジャズらしさから距離を置いたサウンドながら、ジャズなフレーズ盛りだくさんなソロを聴かせるのがそのスタイルの醍醐味かと思う。
練習の虫みたいな面があり、様々なプレイヤーの演奏を採譜した楽譜がアパートの部屋中に散らばっているというのは伝説的な話(事実らしい)で、そういうストイックなところも魅力なのかも。
そんなMike Sternのソロのラインの秘密は、やはり上記のような猛練習に裏付けられた様々なスケールにもあるのかもしれない。Mike Stern自身によるこの教則本、オルタード、ディミニッシュ、ホールトーンのスケールの解説とそれらによる実践的なソロのフレーズを紹介したもので、Mike Sternのメロディの成り立ちに迫ることができるようだ。各スケール自体の練習、3度や4度の音程でのアルペジオ的な練習がずらっと並んでいたりして、なかなかにストイック。Mike Sternによる序文の通り、こういった練習をちゃんとやれば、相当に各スケールのサウンドが耳に定着するのだろう。
16分音符による怒涛のフレーズとか、どんなに紹介されてもMike Sternのようなテンポでは弾けないが、これもフレーズの成り立ちを分析するという意味では応用的なものとして役立ちそう。