相変わらずモノを減らすことに精を出す毎日。特に本は気を抜くとどんどん増えるので、心を鬼にして、再読する可能性が低いものは手放すようにしているのだが、本屋の磁力というのは半端なく、先日、買い物ついでに本屋に寄ったらこの本を見つけてしまった。カラテカ矢部太郎が本を読んでいる姿もとても幸せそうで印象的だが、パラパラと中身を見てますます本と本棚と本屋の世界に引き込まれてしまった。
テレビを見るのもめんどくさい私だが、この番組だけは録画して観るようになった。いやぁ、いいねー、リアルな本、本棚、本屋。まだシリーズ放送途中だが、特に印象に残ったのは橋本麻里氏の本棚。本棚というか、本を中心とした家。断捨離とかミニマリストとかの流行をあざ笑うかのような、本の御殿。「全部読んでるわけないじゃないですか」って笑い飛ばす潔さ。ええなー、本に囲まれる生活。夫婦そろって本を読んで、午後にはティータイムって、なんか憧れるではないか。
最近読んだ京極夏彦「地獄の楽しみ方」でも、京極氏が断捨離を「思考放棄」と斬り捨てていて面白かった。勝ち負けということの無意味さを説き、執着について語った挙句に、本の収納については執着しまくるという男気。たまりませんな。やっぱり本に囲まれるという幸せは、何物にも代えがたいのだ。
最近頑張って本を減らしつつあるというのに、メディアはこんな風に寄ってたかって邪魔してくるから困る。ま、当分は不要なものの見極めと断捨離を続ける予定だけど、捨てることだけが美徳なのではないし、いずれは均衡点みたいなところに落ち着いて、捨てること一辺倒というアホなこともストップするはず。
しかしホンマに手放すべきは、本とか物理的なモノよりも、余計な人間関係なのだろう。無意味なノミニケーションや無意味なゴルフコンペなんかは消滅して、心地よい時代になってきたけど、いや、私の場合はそれよりも、何か無駄なものにしがみつこうとしているアホな自分と決別するのがもっと重要だ。橋本麻里氏も京極夏彦氏も、「物理的な本を手放す断捨離という発想を捨てる、無視する」という意味で、広義の断捨離を実践しているといえるのかもしれない。
在宅時間が長くなって、色んなことを考えるようになった。