ジャズといえばシナトラなのか

ジャズといえば米国の音楽だから、米国人は皆、ジャズが大好きだ。という妄想を抱いていたが、全くそんなことはないのだということに、最近ようやく気づいた。

米国人と会話をする機会がちょこちょこあるのだが、ジャズの話題で盛り上がることは、まずない。私の経験上、ジャズの話をした時に、米国人が最もよく口にするのは、マイルスでもなく、サッチモでもなく、ビリー・ホリデイでもなく、実はフランク・シナトラ(ジャズファンではない一般的な米国人の話だが)。

先日も、米国出身の黒人女性にマイルスの話をしたら「誰それ」って感じでググり始めて、ヒットしたマイルスの画像を見て「なんか見たことあるかも」程度の反応。マイルスは人種差別と闘ったヒーローとちゃうの?日本人が知ってるのに、どうなん?それが一般的な米国人の認識なのか。「私が生まれる前に亡くなった人かー」って、そこかいな。「この人の曲で有名なのは何?」って聞かれたが、他のジャンルと同じ感覚で質問しているに違いない。マイルスの曲ももちろんあるけど、たぶんそういうことではないね。

私が米国で住んでいたのは、音楽の街だったし、親しくしていた人もプロ・アマにかかわらずジャズ関係者が多かったから、てっきり米国人は皆、ジャズにどっぷり浸かって育つんだ、だからジャズに関するリテラシーが浸透しているんだと思い込んでいた。それは勝手な思い込みであり、実際は音楽の流行や嗜好は、万国共通なのかもしれない(日本と米国しか知らんけど)。

しかしジャズと聞いてすぐにフランク・シナトラを挙げるっていうのは、いいなぁと思う。それってジャズなのかっていうと、ジャズの定義はなんやねんという話になってしまうし、ジャンルで語るのはナンセンスな面もあるからどうでもいいけど、シナトラはやっぱりいい。日本でいうと石原裕次郎あたりのポジションなんだろうか。

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