パット・メセニーを聴け! を読め!

堀埜浩二著「パット・メセニーを聴け!」が届いたので、読んでいる。帯には「ジャズを革新し続ける現代最高峰の天才ギタリスト、パット・メセニーの軌跡を完全網羅する、本邦初のコンプリート・ディスク・ガイド」とあるが、いやホンマ、すごい本だわ。Pat Methenyのデビュー時から2017年までの全アルバム(全てではない、と断りはあるものの、参加作品も含めて重要なものは全て網羅)92作品を詳しく解説した労作。

発売された順番に、Pat Methenyの当時の活動が解説されているので、順に読んでゆけばPat Methenyの伝記として読むことができる。いや、Pat Methenyの軌跡をたどる本なのだから、それが主旨だと言える。つまり、ディスク・ガイドとされてはいるものの、ディスク一枚一枚のことを知るための本ではない。はじめは、自分が持っているアルバムの解説から読んでみようと思ってパラパラめくっていたが、そうやって楽しむ本ではないのだ。

ジャズの世界で革新を続け、その歴史を築いたのは言うまでもなくMiles Davisだが、そのMilesが1991年に他界した後に「ジャズの行方を提示し得るアーティスト」の地位はPat Methenyに移った、というのが著者の考え。この考えがベースになっているから、この本を読むことは、この数十年のジャズの進化をたどるということにもなる。Pat Methenyが自らの進化をもって牽引してきたコンテンポラリージャズのストーリーを読むと、これからのジャズの行方がますます気になるし、楽しみだ。

そして。「音楽について語る言葉は、次なる創造に向けての捧げ物であるべきだ」という著者の言葉にもシビれた。Pat Methenyにしても何にしても、中身のない単なる称賛は、ただそれだけのものであり、何も語っていないのと同じだということ。創造性のないブログを書きなぐっているだけの自分には耳が痛い。

Pat Methenyのファンにとって必携であることは言うまでもないが、これは全ての音楽ファンにとって最高の本だ。2000円ちょっとでこれだけ楽しめるっていうのは、ありがたい話だ。音楽好きなら、「パット・メセニーを聴け!」を読め!

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