中山康樹「マイルス・デイヴィス奇跡のラスト・イヤーズ」を読んだ。「帝王」マイルスが1975年に音楽シーンから突如姿を消してから1981年のカムバックを果たし、1991に帰らぬ人となるまでの激動の「ラスト・イヤーズ」がドラマチックに描かれており、一気に読破してしまった。
既に体がボロボロになっていたマイルスが、そんな彼を放っておけない周囲の人々に支えられながら遂に再び音楽にパワフルに向き合い、見事に復活。ひとたびステージに上がれば、病気の体に鞭打って延々と演奏を続けるという姿は、まさに「帝王」である。
過去を振り返らず、ひたすら前だけを向いてジャズという音楽を進化させ続けたマイルスが、その晩年に至ってもやはり前進し続けたドラマは、音楽ファンでなくても感動するはず。
プリンスとの交流やヒップ・ホップの導入など、マイルスの晩年の様々な逸話も紹介されており、ひたすら興味深い。
ギタリストの視点では、このJazz Guitar Book Vol.7がめちゃ面白い。マイルスを支えたギタリスト達が多く取り上げられ、インタビューがあったり、分析されたりしている。