土曜の昼のライヴ。ピアノトリオのReconstructed Standard Trio(佐分理恵(pf)、阿部泉(ba)、吉島智仁(ds))にゲスト梶川朋希(gt)。仕事を昼過ぎに終えて、会場へ。
実は初めて聴く、このトリオ。名前の通り、スタンダードを演奏するトリオだが、スタンダードといっても選曲は一捻りある。そして、それらスタンダード曲へのアプローチが素敵すぎる。癖の強い曲は良いとして、普通に演奏するわけにいかないド・スタンダードな曲はプレッシャーがかかるわけだが、これらを最高な形でReconstructしてしまうのがこのトリオの魅力。
セットリストは次のような感じだったと思う。もう1曲くらいあったかな。曲順も違ったかも。
- Falling Grace
- É Preciso Perdoar
- L-O-V-E
- E.S.P.
- James
- Pure Imagination
- Donna Lee
- Love Theme from Spartacus
例えばL-O-V-Eなんかはセッションでヴォーカリストが持ってきて一緒に演奏して、オリジナルの平和な雰囲気をシェアするっていうのが一般的だと思うが、このトリオはそんなことをするのではなく、この甘い曲を極めて知的に再構築し、新たなスタンダードとしての生命を吹き込む。聴衆は「そういうのがあったんか!」と気持ちよくため息をつく。
Jamesなんかもしかり。Pat Methenyのイメージでギターやフュージョン的なイメージを抱くが、これもこのトリオではガラガラと再構築。爽やかだがフュージョンではない、アコースティックなピアノトリオならではの世界を繰り広げる。
ギターが加わっての演奏はE.S.P.、Pure Imagination、Donna Lee。これまたピアノとギターがぶつからない絶妙なサウンドでの音楽で、独特な世界を創出する。
「へー」「ほー」と驚き、楽しんで、2ステージがあっという間だった。最後のSpartacusの息をのむような美しさに触れ、この2ステージが物語のような流れで構成されていたことに気づく。土曜の真っ昼間に、こんな知的ですごい音楽がクリエイトされているのは、驚くべきことだな。他にも色んな曲の演奏を聴きたい!