挑戦するピアニスト 独学の流儀

「挑戦するピアニスト 独学の流儀」(金子一朗)を読んだ。金子氏はアマチュアながら国内のトップレベルのコンクールで優勝するなどの実績があるピアニスト。アマチュアで楽器を演奏する身としては、気になる存在であった。

内容は、「アタマを使って効率的に練習し、品質の高い音楽を演奏するための方法論」が中心。重要なのは曲に対する分析であるという考え方に基づき、実際の譜例を用いた具体的な説明が書かれている。また、機械的な技術についても、論理的なアプローチをすることにより、できるだけラクな方法をとることができるよう考察されている。これらのアプローチにより、

  • 高齢であっても暗譜ができる(演奏中の「事故」リスクの低減)
  • 高齢であっても技術を維持できる
  • 単なる曲芸に終わらず、音楽の表現ができる

という理屈であり、非常に説得力がある。著者自身の経験や失敗談も述べられており、楽しく読むことができた。

おそらく、曲の分析に関しては、特別なことが述べられているのではないと思う。プロの演奏家にとっては当然の話なのかもしれない。しかし、アマチュアのピアニストがこのレベルのことを考え、練習することでプロに匹敵あるいは上回る品質の演奏をすることができているのだという事実は非常に興味深いし、元気が出てくる。ピアノを演奏しない演奏家にとっても、示唆に富んだ内容の一冊である。

自分も、よりアタマを使って音楽を演奏するようにしようと思った次第。

挑戦するピアニスト 独学の流儀

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です