知の巨人に感謝

知の巨人・立花隆氏の訃報。とても寂しい。立花氏が残した業績として、その膨大な量の著書(そのいずれもが大著)があるが、私は立花氏の情報へのアプローチと熱量に大きく影響を受けた。

立花氏の名前を意識したのは、おそらく30年ほど前だと思う。当時よく通っていたうどん屋の親父さんと本の話をしているうちに、立花隆はすごいぞっていうことになり、読み始めた気がする。

興味を抱いた分野について、超人的な集中力で勉強して取材に臨み、インタビューで知を取り込み、咀嚼してシェアする。この姿には本当に憧れた。本好きの人間からすると、立花氏の読書へのアプローチは楽しすぎてたまらない。一つの分野について大量の本を買い込み、どんどん読み進める。本に囲まれた部屋で、寝食を忘れて読書に明け暮れる。ええなぁ。

私がちゃんと読破した立花氏の著書は多くはないが、いつも立花氏の集中力の持続についていけず、最後は息切れ気味でなんとか読み終える感じだ。自分が理系だからか、サイエンスの本を読むことが多いが、これから他の分野の著作にも手を伸ばしてみたいかも。

音楽の分野では、「武満徹・音楽創造への旅」。これまた、どえらいボリュームの本で、武満徹が大好きな私も手を出せずにいる。書店で手に取ると分厚くて、そっと棚に戻すということを繰り返してきた。「事実」に迫る立花氏の探求心はいくつかの著書で見てきたが、音楽というジャンルに対してどのようにアプローチしたのか、興味がある。でも怖気づいて、読み始めることすらできてないのよね。

知へのアプローチを身をもって示してくれた巨人・立花隆氏。ご冥福を祈るとともに、知性のレベルは違えども少しでも何らかの形で追随してみたいと思う。

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