2013年1月25日(金)、フレット楽器ヤマサキにて。
言わずと知れた、関西が世界に誇る本格派クラシックギタリスト、金谷幸三氏。泣く子も黙る正統派クラシカルながら、小さめの会場で聴衆とコミュニケーションしながらの演奏会を多く開催されており、根強いファンを抱える奏者。今回も20名限定のサロンコンサートであり、慌てて予約した次第。
そんなこと言いながら、実は私は金谷氏の演奏を生で聴くのはおそらく10年ぶりくらい。恥ずかしい限りだ。
会場は大阪のフレット楽器ヤマサキ。私が今も愛用している三浦隆志氏製作ギターを20年以上前に購入したフレット楽器オザキの系列店。地図を見ながらたどり着いた。少し早すぎるが、入っちゃえと思って入ったら、既に集まったファン向けに金谷氏が演奏を聴かせていた。この雰囲気こそが、まさにサロンコンサート。皆がリラックスして、奏者は「何かリクエストありますか?」って語りながら時間が進んでゆく。ドリンク付きのコンサートなので、私はコーヒーをお願いして席につく。ヴィラ=ロボスのプレリュードNo.5の、何とも美しすぎる音。
公式な開始時刻になり、コンサート開始。記憶している曲目はこんな感じ(順番は忘れた):
6弦ギター
- ロドリーゴ/祈りと踊り
- バッハ/無伴奏チェロ組曲No.6よりアルマンド、ガヴォット
- ソル/魔笛の主題による変奏曲
- デュアート/カタルニア民謡の主題による変奏曲
- バリオス/フリア・フロリダ、ワルツNo.4
- カヴァティナ(アンコール)
11弦ギター
- アテニャン/花咲く命ある限り
- ドビュッシー/夢想、月光
6弦ギターは、ケヴィン・アラムだろうか。オープニングのロドリーゴでは、少しデッドな感じであったが(会場のせいか?)、すぐに気にならなくなったのは、奏者の指がリラックスして動き始めたからか?奏者自身「緊張する」と言いつつ、得意のレパートリーを中心としたプログラムで、どの曲も気持ちよく聴ける。
個人的には、金谷氏が近年積極的に取り組まれている11弦ギターの演奏がとても良かったと思う。このドビュッシーの演奏は他のギタリストでは聴いたことがない美しい世界を創り出している。聴いたことない人は、CD買うべし。このCD、「レコード芸術」誌で「準特選」盤に選定されたもの。流石である。
アンコールのカヴァティナは、映画「ディアハンター」のテーマなので、地元・奈良で弾くのはマズいんじゃないか(笑)という発言もあり。なるほど。
終了後に、ご無沙汰してますと金谷氏から声をかけていただき、しばし会話。だいぶ前のミュライユの演奏の録音を見つけたのでYouTubeにアップしたそうな。
こういうスタイルのサロン・コンサート、是非たくさん開催してほしいと願う。