以前からずっと聴きたいと思っていた長谷川きよしのライブに行った。長谷川きよしはシャンソンをベースとする歌手であるが、弾き語りのギターも、とにかくすごい。技術的に巧いということよりも、聴く者の心を揺さぶるのだ。グルーヴがあるのだ。歌とギターが一体になって、心の叫びを絞り出すのだ。とにかく一度、ライブに行ってみたいと思っていたというわけだ。
ライブは、2011年3月22日(火)、京都RAGにて。メンバーは、林正樹(pf)、仙道さおり(per)。
仕事を終えてすぐに会社を飛び出し、京阪電車で三条へ。RAGに行くのは初めてだったが、三条駅から近く、とても便利なロケーション。
席はどちらかというと後ろの方だが、それほど大きな会場ではないのでステージから遠いわけでもない。十分によく見える場所。客数はざっと50~60人か。仙道さおりファンのオジさんが少なくない模様。動機が不純だぞ、おっちゃんら。でも私も仙道さおりのパーカッションには興味あるぞ(苦笑)。
ワインとサラダを注文し、開演まで待つ。時間になると、私の席のすぐ横をプレイヤー達が通過。え、長谷川きよしって、こんなに小柄で華奢だったのか!弦をしばき倒すかのようなギター演奏と朗々と美しい歌唱から、何となく、もう少し大柄な人を想像してた。
プログラムは、シャンソンやサンバ、自作の曲などバラエティに富んだものであったが、いずれも長谷川きよし節の甘く美しい声での歌唱であった。「別れのサンバ」「灰色の瞳」などの有名曲も披露。途中、プログラム紹介を間違えて紹介するなど、微笑ましい場面もあったりしながら、休憩をはさんで2ステージ、計2時間半くらいのライブであった。
もちろんMCもあったのだが、話し声が、これまた若くて綺麗なのである。歌声が綺麗な人は、話し声も綺麗なんやなぁ・・・
やや残念だったのは、ピアノとの音量のバランス。ピアノが主張しすぎのように感じた。また、長谷川きよしのヴォーカルもPAを通してのものであり、生の声とは質が異なっており、ちょっと残念。仕方ないのかな。
1969年に「別れのサンバ」でデビューし、もう40年。まだこれがベストではない、とのこと。これからも、その魂のギターと歌唱を聴かせてほしい。私も、成長し続ける人間でありたい。
会場を後にし、久しぶりの木屋町通やし、高瀬川沿いを四条までぶらっと歩き、四条から帰途についた。