黙ってCOOL BALLADS聴くべし!

年末に、めっちゃいいのが来た!宮地スグル氏のCD「COOL BALLADS」。タイトル通りのバラード集なのだが、これがもうハードボイルドなサウンドでシビれまくり。早速ヘビーローテーション。

メンバは、宮地スグル(ts,ss,fl,cl)、石渡雅裕(pf)、田口悌治(gt)、伊東佑季(ba)、野澤宏信(ds)。録音は2020年10月、新型コロナの騒ぎが収束せず、世の中が不安真っ只中の時だ(今もそうだが)。日本を代表するジャズミュージシャンが、どれほどの熱い思いをもってこの盤を世に送り出されたかと思うと、もうホンマ、音楽ファンとしては感謝しかない。

甘ったるいバラードのサウンドではなくて、冒頭に書いた通り、全体にハードボイルドな語り口が印象的な音楽。無駄な味付けは一切なし!なのに決して冷徹な演奏ではなく、バラードならではのうっとりとさせるサウンドに満ちている。誰一人「弾き過ぎる」ことなく、ストレートに真摯に音を紡ぎだすことで、これほどに充実した音空間が生み出せるのか。これ以上の音は不要だし、ここからどの音を引いてもいけない。この絶妙なバランスが聴く者の胸を熱くさせるのだから、ハードボイルドって呼ぶのが適当なのか定かではないが。

バラード集って、CDまるごと一枚がバラードだから、聴かせるのは(聴くのは)難しいんじゃないかというのは全くの杞憂。(曲によって編成は異なるが)5人のミュージシャンのインタープレイに耳を傾けて「おーっ」とか言っているうちにCD一枚、綺麗に聴き終える。バラードでここまで多彩な景色を繰り広げることができるとは。このサウンド世界に身を委ねたら、明るい未来がすぐにやってくると信じることができる。

年の瀬は、熱いコーヒーを淹れて、スピーカーと対峙してこのCDを聴くべし!
(CDは各プレイヤーのウェブサイト等からお問合せを)

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