中崎タツヤ「もたない男」

もたない男

増え続ける本やCDへの対応をどうしようかというのがこの長年の悩みであるが、結局は私の場合は整理術とかの話以前に「捨てる」「増やさない」というのが必要だというのが最近の結論。

まず、「捨てる」について。私の場合、今のところ、CDは捨てる気はなくて、本は、可能な限り捨てる。しかし、一気に頭を「断捨離」の発想に切り替えることができず、「通勤電車でぼちぼち読むかもしれん」みたいな発想で多くの本を捨てきれずにいた(いる)。なので、この数年で何度かに分けて処分。「前回に捨てられなかった本も、今回は意識を変えて捨ててしまえ」みたいな感じで。

そんな感じで、だいぶ本を減らすことはできたのだが、先日、図書館で中崎タツヤの「もたない男」を見つけて借りてきた。「じみへん」とか好きなので中崎タツヤの本にも興味をもって借りてきたのであるが、ここには「物をもたない」ことについて徹底している中崎タツヤの生態(?)について詳しく書かれている。もう、尋常ではない。病的と言っても過言ではなかろう。中崎氏の漫画の「プッ」と笑ってしまうネタは、このようなシンプルをきわめた環境から創造されているのか。

まぁ、中崎氏ほど徹底した「もたない」生活は私には無理だし、そこまで「もたない」ことに憧れることもないのであるが、ともすれば無駄なものを持ちがちな私のような人間には、大きな刺激となる、面白い本であった。

New York ジャズ・ギター・スタイルブック

NEW YORKジャズギター・スタイルブック CD付

ジャズギター界ではトレンドをとらえたというか、でもやっぱりマニアックというか、とにかく興味深い本が出版されたもんだ。これはとにかく入手せないかんということで、楽器店で購入。

  • カート・ローゼンウィンケル/Kurt Rosenwinkel
  • アダム・ロジャース/Adam Rogers
  • ジョナサン・クライスバーグ/Jonathan Kreisberg
  • ジュリアン・レイジ/Julian Lage
  • マイク・モレノ/Mike Moreno
  • ラーゲ・ルンド/Lage Lund
  • ベン・モンダー/Ben Monder
  • スティーヴ・カーディナス/Steve Cardenas
  • ギラッド・ヘクセルマン/Gilad Hekselman
  • ニール・フェルダー/Nir Felder

NYのコンテンポラリーなスタイルのギタリスト10人について、経歴やプレイスタイル、使用楽器などを紹介した後、コンテンポラリーな演奏の技術について解説、最後にこのようなスタイルをスタンダードに適用する例を提示、という構成。ギタリスト紹介については、情報収集をすれば同じような情報があるまるのかもしれないが、技術解説は、なかなか貴重だ。これから秋の夜長、じっくり楽しんでみよっと。

jazz guitar book vol.35

jazz guitar book [ジャズ・ギター・ブック] Vol.35 (シンコー・ミュージックMOOK)jazz guitar book vol.35を入手。特集はジャム&グルーヴ。ジョンスコへのインタビューなどをメインに、ジャムバンドについて考察されている。今までジャムバンドなるジャンル(?)は考えたことなかった。それにしても、このムック、次々と特集ネタを思いつくものだが、内容の充実度は、世界中探しても類を見ないレベルだと思い、いつも感心してしまう。

ジョンスコのインタビュー記事では、Avi Bortnick アヴィ・ボートニックについて書かれていて、その顔写真を見て、思い出した。2003年にRochester, NYでジョンスコのライブを観に行った時にステージにいた一人だ。ステージにノートパソコンを持ち込んで操作していたギタリストで、「この兄ちゃん何してんねん」って感想を抱いた記憶があるが、ジョンスコにとっては信頼できる仲間だったのね。よくよく調べてみると、おそらくあのときドラムを叩いていたのはAdam Deitch アダム・ダイチだったようだ。私が目の前で観た・聴いたのは、いわゆるuberjamの主要メンバによる演奏だったということか。なんちゅーええ加減なリスナーや。

さて、他にはMike Morenoのインタビュー記事も。彼のセミナーに参加したことが記憶に新しいが、その時と同じ印象の、ややお疲れに見えてしまう神経質そうな表情の写真。リーダとしては今回が初めての来日だが、2005年にはJoshua RedmanのElasticのバンドで来日していたそうな・・・って読み飛ばしそうになったが、そのJoshua Redmanのライブ、観に行ったぞ。そういえば、神経質そうなギタリストがいて、浮遊感のあるプレイをしていて、ライブ後にカウンタで何か飲んでたから妻が声をかけて、私も少し会話をした記憶があったが、あれがMike Morenoだったのか!

他にも、菅野義孝師匠による目からウロコのジャズギター講座はマイナー・ブルース、竹田一彦師匠のアルバム「I Thought about You」発売記念ライブ記事など、盛りだくさんな内容となっている。じっくり読んで楽しもう。

津原泰水「ブラバン」

ブラバン (新潮文庫)

1980年、吹奏楽部に入部しコントラバスを演奏した主人公。高校卒業後、四半世紀が経ってから再結成の話が持ち上がる、というストーリーの小節。なんとなく書店で見かけて、買った。私自身はブラスバンドの経験はないし、管楽器は全く演奏できないのだが、このところ大学時代のギタークラブに何度か足を運んだり、先輩や同級生や後輩のボチボチ音楽に触れているという近況を聞いたりしたことと共鳴したので、読むことにした。

40歳を過ぎてからの再結成というあたり、今の自分に重ね合わせて読んでしまった。赤字のバー経営という、トホホな感じの主人公の設定も、なんかリアリティがあってイイ。

この本、作者自身も経験者らしくてやたらと音楽や楽器について詳細な描写がある。このあたり、読者を選ぶのかもしれないが、逆に音楽好きの人間にとっては、わりと引き込まれるものがある。

派手な映画のような大きな感動があるわけではないが、地味なわりに情熱的だった青春、四半世紀を過ぎて現実が見えてきてからの音楽に対する思い、など、共感し感情移入しながら読んでしまった。

Miles Davis “Kind of Blue”

なんか、ここまでの名盤をあらためてブログに書くのは、恥ずかしい気がするな。

正直に白状すると、Miles Davisの名盤 “Kind of Blue”、実は、ちゃんとした(?)CDで持っていなかった。友人の誕生日に買ってプレゼントしたりしたことはあるが、私自身は持ってない、と(笑)。その代りに、ジャズを聴き始めた十数年前にレンタルCDを借りてきてMDに録音したものを、今まで聴いていたのだった。

師匠Bob Sneiderからの宿題で、生まれて初めて耳コピーなる行為をしたのも、この盤の一曲目”So What”。この曲のMilesのソロをコピーしたのだが、今となってはわかりやすいソロも、当時は必死で取り組んで譜面におこしたものだった。今でも、このMilesのソロはほとんど憶えている。

最近、ようやくCDをちゃんと買って、あらためて聴き直してみると、以前は聞こえてこなかった音もいろいろ聞こえてくる。So What、非常にシンプルな構成の曲ながら、ここまで深みのある音楽として響かせるというのは、やっぱり凄い。モードという手法の可能性に目をつけて一つのスタイルにまで昇華させたMilesは、やはり凄い。

でも、なぜか、ギターで今、モードの曲を弾く気にはなれない。私には難しい。Bob Sneiderのレッスンでこの曲のソロをやった時には、すぐに小節数がわからなくなって困ったが、そういう問題以前に、どうもモードでのソロは今の私には難しい。もう一度、Milesのソロを復習してみるか。

カインド・オブ・ブルー+1