布川俊樹・山口友生デュオ@P’s Bar

東京に行く機会があったので、池袋のP’s Barのライブに行ってきた。2012/04/26、布川俊樹&山口友生ギターデュオ。布川氏は、10年以上前から教則本や教則DVDでお世話になってきたしウルトラマンジャズなどのCDも聴いてきたので、ずっとライブに行ってみたいと思っていた。山口氏は、ナイロン弦クラシックギターを指弾きするユニークなスタイルのジャズギタリストで、私自身がクラシックギターを経験してからジャズに入ったので以前から興味があったのだった。

仕事が長引き、前半には間に合わず、後半の開始前に地図を見ながらP’s Barに到着。地下1階の店で、中を覗いてみたら思ったよりもこじんまりとしたサイズで既にお客さんで一杯の様子、躊躇してたらすかさず女性店員が笑顔で扉を開けて「どうぞ!」って言ってくれたので、「いいですか」とか言いながら店内へ。

客が10人ほど入ればいっぱいになってしまいそうな店内。壁際のテーブルにどうぞ、と言われて座ったが、ステージまで1メートル足らず。こんな密度の高い空間で巨匠二人のデュオが聴けるとは、なんと贅沢な。

ソニーロリンズは今もすごいよねぇとか会話されていたお二人、時間になって演奏開始。聴けなかった前半はスタンダード中心だったようで、この後半ステージはオリジナルでスタート。クラシックギターとフルアコースティックギターという、ハードウェアとしては大きく異なるギターだが、一つの音楽をつくると見事に融け合うんだな。布川氏の演奏は、絶妙にコントロールされた音色でレガートに流れる。山口氏の演奏は、ナイロン弦ならではのあたたかい音色で、しかし決してボサノヴァ的なサウンドだけではなくストレートなスタンダードも極めて心地よい。途中、「あれっ、譜面がない!」(布川氏)とか、「ゲーデルは神の存在も証明しちゃったんだよねぇ」(山口氏)とか、MCもはさみつつ、トニーニョ・オルタで締めくくり、アンコールはブルース。

ステージ終了後、お二人のCDを購入し、サインもいただいた。また、持参していた布川氏の旧版「ジャズギターの金字塔」にもサインいただいた。焼そばを美味そうに食べる布川氏が印象的。

会計を済ませて帰ろうと思ってたら、陽気なマスターや他のお客さんと一緒に会話が弾みだして、布川氏や山口氏も交えて盛り上がってしまった。「関西に行ったら、『スーパー玉出』ってあったんだよ、パチンコ屋じゃなくてスーパーなんだよ」「出張いつまでですか、え、明日?じゃあ、もう一泊延長して、僕のジャムセッションにどうぞ(笑)」(布川氏)「無理強いはよくないから、多数決にしましょう。セッションに行くべきだと思う人ぉー」(マスター)「はーい」(一同)と、なんかいじられまくったが、とても楽しい店だ。巨匠お二人とこんな近距離で話したり、濃密な時間を過ごすことができた。また行こう。

小島のり子トリオ@ラグタイム

2011/09/28(水)、小島のり子(fl)トリオ(田口悌治gt、澁谷盛良ba)のライブ@ラグタイム心斎橋。小島のり子リーダーCDの発売記念ツアーの最終日であった。

田口師匠含め、トリオの皆さんとお会いするのはなんと一年ぶり。前回からそんなにたったのか。しかし、皆さんに覚えていただいてたようで、嬉しい。澁谷さんは、私が京都在住であることまで、覚えていてくださった。すごい。ま、前回はセッションでメチャクチャだったからなぁ、それで印象が残っていたのだろう!

さてライブは、小島さんオリジナルやスタンダード、民謡などを織り交ぜたプログラム。トリオなので、各メンバーの音がしっかり聴けて、面白い。なんやかんやで、あっという間に2ステージが終了。

ステージの合間には、田口師匠と久しぶりにいろいろ会話することができた。

2ステージ終了後、休憩をはさんでセッションタイム。フルートとピアノのプレーヤーとトリオメンバーで、Another You。皆さん、うますぎるやないか!エキサキティングなフルート、安定感がありお洒落なピアノ。次に、私もOn Green Dolphin Streetを演奏させていただいた。トリオメンバーと、ピアノ高橋さんと演奏開始。楽器は、田口師匠のギブソン175をお借りした。演奏しようとしたら、ん、ボリュームつまみはどっちだ!?ま、これは音を出してみたらわかった。実はギブソン175を弾くのは初めてなのだが、名器であることに加え、さすがにプロの楽器できっちりメンテナンスされ、かつアンプやら何やらを全てセッティングされていたということもあり、ものすごく弾きやすい!音色なども、もう完璧にジャズギターだ(当たり前か)。余計な気を遣わずに、気持ちよく弾けば気持ちよく鳴るという感じ。いいセッティングで練習すると、上達するんじゃないかという考えにも至った。

さて肝心の演奏。最近、セッションで弾いたことがあった曲だから、なんとかなるかな、と思って弾いたのだが、いつも以上に緊張し、なんかメチャクチャだった。普段弾けるはずのフレーズも、なぜかもたついて弾けない。なんじゃこりゃ。反省。しかも26~28小節のコードを間違えてた!アホか俺!やはり本番では普段の演奏の何分の一くらいしかできないと、あらためて実感。

また練習じゃ!一緒に演奏させていただいた皆様ありがとうございました。

トリオのメンバーと、ピアノ高橋さんにご挨拶し、会場を後にした。終電。Kojinori20110928

あ、画像でフルートが切れちゃってる!すみません !

竹田一彦&菅野義孝ライブ@マイルストーン

2010年12月11日(土)、マイルストーン(大津)にて。

私の師匠二人のジャズギターデュオ、既に恒例となりつつあるライブ。

開演20分前に会場に入ったが、既にもうすぐ満席というくらいの状態。企画者のてっぺいさん、竹田先生、菅野先生に挨拶してから、ちょっと奥のほうの席に座った。

クリスマスシーズンで、店内も品の良い飾り付けが施されており、とても良い雰囲気。

7時になり、演奏スタート。スタンダード中心の演奏で、ボサノヴァあり、Charlie Parkerありで盛り上がる。私の席からは菅野先生の手元は見えず(顔は見えた)、竹田先生の手元はよーく見えた。いつもながら、菅野先生の演奏は心地よく流れる爽やかな印象を残しながらも伝統的なスウィング感に溢れている。竹田先生の演奏も、一音一音の存在感が圧倒的であり、神懸ってすらいる。酒バラが最高だったという人が多かったが、私はMy One and Only Loveの緊張感にしびれまくった。ミュージシャンの恐るべき集中力によって生み出される薫り高い時間と空間、例えようもなく美しい。

途中、菅野先生があらかじめ準備してこられたサンタクロースの赤い帽子を被り、竹田先生にクリスマスプレゼント贈呈。開けてみたら同じ赤い帽子。早速、躊躇せず被られる竹田先生。クリスマスソングは二人ともサンタクロースの帽子着用で演奏。貴重なシーンなので、皆、あわてて写真撮影(笑)。The Christmas Songのエンディングが美しくきまったところで、店の時計の8時の鐘が教会の鐘の音のようにゴーン、ゴーンと鳴り、一同「おぉー・・・」と感激。

セカンドステージもスタンダード中心、クリスマスソング2曲もとてもおしゃれな演奏。いやーよかった。

今回も打ち上げに同席させていただき、またもや竹田先生の貴重なお話を聞かせていただくことができた。竹田先生が退席された後も、菅野先生を中心に3時間盛り上がり、楽しい忘年会となった。

企画してくれたてっぺいさん、ありがとうございました!最高でした。

野田純子、小出憲ライブ@カフェタマリバ

野田純子(vo)、小出憲(gt)師匠のライブ。2010年9月24日(金)19:00~、カフェ タマリバにて。

カフェ タマリバは新大阪駅近くのライブスペース。少し小さめで、内装すべてが新しく綺麗で、めちゃくちゃ感じの良い空間。初めて行ったのだが、アットホームな雰囲気で、すぐにくつろいでしまった。

1Fはカフェ&バー。ビールを飲みながら小出師匠や野田さんとしゃべったりして19時頃まで過ごした後、「じゃ、上がりましょうか」とのことで、2Fへ。他のお客さんも一緒に2Fへ。

2Fがライブ会場なのだが、これまたサロンコンサート風のイイ感じのスペース。演奏者の息遣いが直接伝わってくる、贅沢な距離。

さて、ライブはギターもヴォーカルも完全生音。1stステージ、まずは小出師匠のギターソロでOver the Rainbow。次に野田さんが入って、Satin Dollに始まり、ボサノヴァを含むスタンダード中心の演奏。途中でアカペラもあり。

とにかく聴衆との距離が近く、独特の和みを感じつつ、音楽を楽しむことができた。

店を出て、この携帯電話でこの写真を撮影していたら、客の一人のおっちゃんが(おそらく仕事帰りの?)軽トラックでブーンと帰って行ったのが、地域密着って感じで、なんか良かった。私も、また来たいと感じた場所だ。

竹田一彦&菅野義孝ライブ@マイルストーン

7月17日、滋賀県大津市のマイルストーンでの、竹田一彦&菅野義孝ライブ。関西の重鎮・竹田氏と関東で活躍中の俊英・菅野氏、実は私は両氏の門下生であり、感慨深いライブとなった。

19時の開演までには、小規模な店にぎっしり並べられた椅子が一杯になる盛況。昨秋に始まったこのデュオの人気がよくわかる。

さて、ライブは終始和やかなムードで進んだ。1曲目のIt could happen to you以外は全く曲を決めずにスタートし、その場で「次、何しよ?」と決めてゆくスタイル。ジャズらしいハプニングあり、笑いありで楽しい。

竹田先生は、一音一音に集中力と魂が込められた素晴らしい演奏。ゴツゴツとした重みのある音、それでいて限りなく美しいレガート。ギターという楽器は、こうやって弾くのか!とあらためて学んでしまった。菅野先生は、これまた気持ち良くスイングするギター。自慢のアンプで、ジャズらしい気持ち良いサウンドを聴かせた。
写真は、2ndステージ前にコード進行を知らない曲のリクエストをもらって、竹田氏に指導を受けている菅野氏。

打ち上げにも参加させていただいたが、竹田先生の、米国の巨匠達との共演の話など、貴重な話を一同で聴かせていただくことができた。我々がレコードや本でしか接する機会のないジャズジャイアンツと、現場で接してきた話であり、鳥肌ものであった。本人は「長く生きてきただけや」とさらっと言われるのだが。

とにかく、素晴らしく貴重な体験をしてしまった一日であった。

小島のり子トリオ@ デサフィナード

小島のり子トリオのツアーが、九州などをまわって再び関西に。和歌山のデサフィナードでのライブが6/15(火)にあったので、仕事の後、大急ぎで駆けつけた。

メンバは、小島のり子(fl)、澁谷盛良(b)、田口悌治(g)。

ギリギリで会場に到着したら、1曲目(だと思う)のFly me to the moonが始まるところであった。ちょうど自分も最近練習中なので、この曲を鼻歌で歌いながら来たところだった。

あとは、オリジナルやスタンダードを織り交ぜた素晴らしい内容であったが、特にTom JobimのPortrait in Black and Whiteの演奏には、もうグッときてしまった。ゾクゾクするようなリズム、メロディー、ハーモニー。もうたまらん。月並みな言い方だが、やはり音楽の力は偉大だ。

田口先生とはゆっくりお話しできたが、小島さんと澁谷さんとはご挨拶もそこそこで、お話しできず、残念かつ失礼してしまった。終電の都合で、22時頃には会場を後にせざるを得なかった。

小島のり子トリオ@ ラグタイム



フルートの小島のり子トリオのツアー。メンバーは、小島のり子(fl)、澁谷盛良(b)、そして私の師匠・田口悌治(g)。ツアー初日がここ大阪ラグタイム、6月2日であった。

フルートでジャズというのが、これホンマええ感じ。小島さんはまるで体の一部であるかのように楽器を操られる(プロだから当然か!?)。ほどよい潤いと乾いた風が共存するような心地好いサウンドで、躍動感溢れる演奏だった。
澁谷さんのベースは、明るく、とても存在感のあるサウンド。音量のバランスのおかげかもしれないが、ベースがものすごく明快で、トリオというフォーマットにおけるこの楽器のポジションや魅力を、今更ながら強く認識してしまった。
ギターの田口先生は、ちょっと聴いた瞬間から、「キター、これこれ」と感じる、私にとって馴染みのあるプレイ。ギブソン175とガットギターを持ち替えながら、たたみかけるようなフレーズなどでグルーウ゛感溢れる演奏をされた。
さて、最終ステージはセッションもされるとのことで、私も勇気を振り絞って参加させていただいた。一般参加者はなんと私だけで、なんとも贅沢な環境。なのに!なのに!である。あろうことか、There will never be another youで、頭の中が真っ白になり、ロストしてしまった!ベースを聴きつつ復帰しようとしたが、どうにもなりそうもなく、声がけをいただいてやっと戻って来れた感じ。2曲目「枯葉」は、なんとか形としては弾ききった感じで、途中の8barsあたりから「お、調子出てきたぞ、なんかええんちゃう」(遅いわ!)とも感じたりしつつ演奏させていただいた。
聴衆の皆さんやトリオの皆さんには、多大なるご迷惑をおかけしました。しかしトリオの皆さんには温かい言葉をいただき、お客さんの一人には「素敵な『枯葉』をありがとう」と声をかけていただき、救われました。また一から練習します!

田口悌治トリオ@Desafinado

今晩(もう日がかわってしまったので昨晩?)は、和歌山のDesafinadoにて、私の福岡時代の恩師である田口悌治氏のトリオのライブ。

メンバーは田口悌治(gt)、丹羽肇(b)、高橋幹夫(dr)、そして桜井ゆみ(vo)。スタンダードを中心に、田口先生のオリジナルも交えた選曲。

とにかく最高であった。ギターは曲によってギブソン175とラミレスを持ち替えての演奏であったが、いずれも素晴らしいのひとこと。安定した端正な音作りでありながら、情熱も感じさせる。盛り上がってきたときのハイテンションはとどまるところを知らず、こちらも思わず体が動いてしまう。あらためてシビれまくった。

ベースの丹羽氏も、相変わらず、心底楽しそうに演奏するプレイヤーである。朗々と歌うベースソロなども、めちゃくちゃ心地よい。

ドラムの高橋氏の演奏は初めて聴いたが、やはり安定したリズムを刻みながらも、ソロなどは激しく盛り上がり、めちゃくちゃ楽しい。

ヴォーカルの桜井氏も初めて聴いたのであるが、コテコテのジャズにとどまらずビートルズやラテンまで、いずれもぞくぞくするような素晴らしい歌唱。

2部構成であったが、盛り上がって一気に聴いてしまった。聴衆全体も興奮気味で、本当に楽しいライブであった。