“Childhood’s Dream”布川俊樹(gt)&福田重男(pf)。先日聴きに行ったP’s Barで、布川氏ご本人から買ったCD。
ピアノとギターというデュオ形式では、かの有名なBill Evans & Jim Hallの”Undercurrent”をはじめ、有名な盤がいくつかあるが、日本の巨匠二人のこの作品も独自のサウンドで素晴らしい世界を描き出した名盤だと感じる。
ピアノとギターというフォーマットは、対話的でダークで(情熱を感じさせながらも)静かといった印象が一つのパターンだと思うが、このアルバムからは、当然、対話的であることは踏まえながらも、「明るい」印象を受ける。曲目のキーによるところも大きいかもしれないが、やはりピアノとギターのサウンドが、春の日差しのような爽やかな明るさを感じさせているのだと思う。ピアノは、端正でエレガントな響きで、ギターはエレクトリックとアコースティックの持ち替えがあるものの、いずれも洒落た流れの音楽を奏でる。
1曲目”Hope in the Cave”を聴き始めて、「ん、ちょっと明るすぎる?」と思ったが、やはり二人のプレーヤーの対話はとても楽しく、2曲目”Bitter Sweet”でしっとりしたサウンドで相互に融け合うピアノとギターを聴くと、どんどんハマり始め、そのまま一気に聴き続けてしまった。コンボなどでのコンピング(バッキング)ではぶつかりやすかったりすると言われるピアノとギターだが、デュオではなぜこんなに魅力的な音世界をつくりだしてしまえるのだろう?