David Gilmoreの”Energies of Change”。コンテンポラリーなスタイルのギタリストはたくさんいるが、その中でもDavid Gilmoreは絶妙なバランス感覚で、トップクラスのクォリティだと感じる。ピンクフロイドのDavid Gilmourとは別人、念のため。
この心地よさは何か。まず、音色のバランス感覚。エレクトリックギターにおいては、クリーンで甘い音色がベース。他の楽器にぶつからず、うまく溶け合いながら、しかし埋もれることなく、いい艶を出している。楽曲によってエフェクトがかかっているが、これがまた歪み過ぎず、絶妙な感覚。アコギも、シャリシャリ感が強すぎず、よろしい。
フレーズやリズムについては、バップに根差したセンスの上で、自由でコンテンポラリーな歌を歌っている感じで、これまたバランスがいい。
そもそもBen Williams(ba)、Antonio Sanchez(dr)といったメンバーだから、Pat MethenyのUnity Group的なサウンドになるのは当然なのかもしれないが、そのリズム隊をバックにDavid Gilmoreならではの音楽が繰り広げられてとてもユニークな世界を作り出すことに成功しているという感じか。
古さと新しさが綺麗に混在する、ずっと長く聴ける素晴らしいアルバムである。
Energies of Changeというタイトルが、なんか意味深だが、どういう背景なんやろか?