Keith Jarrettを応援する

Keith Jarrettが2度の脳卒中により演奏困難となっていることを報じるNew York Timesの記事に、世界中の音楽ファンが衝撃を受けている。もちろん私もその一人で、ショックは尋常ではない。ちょうどStandards in Norwayを聴いて「やっぱりKeith Jarrettはええのぅ」と呑気に呟いていたところに入ってきたニュースだった。

既に多くの人が拡散しているが、あらためて状況を書くと、現在75歳のKeith Jarrettは、2018年2月と5月に脳卒中に襲われた。左手の一部に麻痺が残っており、公の場でピアノを演奏することができるようになる可能性は低い。我々ファンにとって何よりも辛いのは、これらがNYTの電話インタビューに対して本人が語ったことであるということ。記事を読んでいると、時折自らの状況を笑いながら、絶望的になっているコメントが目立つ。再びピアノを弾けるようになることを考えるエネルギーを感じない(左手でカップを持てるようになることが精いっぱいの目標)という事実に、リスナーの私たちもまた絶望を感じざるを得ない。

「Keith Jarrett」をググると、「他の人はこちらも検索」機能で「キースジャレット 志村けん」と出てきて何事かと思ってクリックしたら、Kieth Jarrettのあの唸り声が志村けんのネタの声に似ているとのこと。おぉ、そんな聴き方があったか(いや、ないけど)。志村けんもKeith Jarrettも大好きな私からすると、似て非なるものだが(当たり前だが)、なかなかオモロいでんがな。今まで全く意義を感じなかったGoogleの「他の人はこちらも検索」が初めて役立ったという事実も含め、色々と衝撃を受ける。

これまでに、Keith Jarrettのライヴには2度行った。トリオとソロ。Carnegie Hallでのトリオでは、MCでNew York Timesの記事を引き合いに、軽妙な冗談を飛ばしながら語る姿も印象的だったが、大阪でのソロでは逆に神経質な姿を見せた(前日だったかの東京公演では聴衆にマナーについて語りかけたという有名な件)。Keith Jarrettに奇跡を信じたい気持ちは大きいが、そういうことを簡単に書くのは無責任に過ぎるので、とにかくKeith Jarrettの創造に感謝し、そしてこれからどのような活動をされるのかにも大いに期待したい。Keith Jarrettだ、これからも必ず何かを生み出してくれるはずだ。

・・・無責任とか書いたけど、やっぱり子どもみたいに叫びたい。頑張れKeith Jarrett!

“Keith Jarrettを応援する” への4件の返信

    1. 素晴らしいコメントをありがとうございます。そういう視点がありますね。ここからのキースを観たい、聴きたい。そう思います!

  1. こんにちは。宜しくお願いします。キースの病気は心から来ていると思います。行き過ぎた説教をしている時の心イコール病気。
    キング・クリムゾンのロバート・フリップは盗撮・盗録には敏感だが、それ以外には寛容です。あらかじめ「トイレの出入りは曲間にお願いします」とアナウンスはあるが、曲中にトイレに立っても苦言を呈する事はない。
    キースは素晴らしい演奏をするので、「観客に責任がある」と擁護する熱烈ファンがいるが、はっきり言って、キースは社会的不適合者であり、観客全員から一斉にブーイングを浴びせられても、文句が言える立場ではない。

  2. コメントいただき、ありがとうございます。Keithは以前にも病気で活動休止していたことがあるし、創造にエネルギーを費やす一方で、消耗するものも大きいのかもしれませんね。ただ、今回の病気がメンタル面とどのように関係あるか、わかりませんが。

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