渡辺貞夫ライヴ “SAUDADE TO BRAZIL” を聴きに行った。2022年6月16日、ビルボードライブ大阪。渡辺 貞夫(AS)、林 正樹(Pf)、マルセロ 木村(Gt)、コモブチ キイチロウ(Ba)、竹村 一哲(Dr)。わが師マルセロ木村氏がメンバっていうのも楽しみの一つ。
実はナベサダさんを生で聴くのは初めて。そういえば、幼少だったか中学生頃だったか、人生で初めて知ったジャズミュージシャンは、ナベサダさんだという気がする。レジェンドなのは言うまでもないし、ライヴだってなんぼでもやってはったと思うのだが、なぜか今まで聴いたことなかった。
在宅勤務が多い今日この頃だが、この日は出社して夕方に仕事を切り上げて会場へ。前回ここに来たのは20年近く前、前進のブルーノート大阪の時代、おそらくJoshua Redmanのライヴの時かな。あらかじめ席は決まっていたのでそのままテーブルへ。といっても、受付では座席番号を告げられただけで、どのあたりのテーブルなのかは教えてくれないので、予約時のシートマップの記憶を頼りに席にたどり着く。
ビールかワインを飲みたいところだが、帰りに自転車に乗る必要があったので、泣く泣くジンジャーエールとタコの唐揚げを注文。隣のテーブルの二人は「渡辺貞夫やから、略して『ナベサダ』やねん。おもろいやろ」「なんか食べもんの名前みたいな。『ナベ』ゆーてな」みたいな会話をしている。どないやねん。
さて、開演時間になり、メンバ登場。なんか興奮する。ブラジルの曲に始まり、ナベサダのオリジナルを交えたプログラム。「1曲1曲が短いから、曲をたくさん練習しました」ってMCも。ナベサダは実はこれまで聴き込むって程には聴いてこなかったので昔と比較しようがないのだが、年齢を感じさせない素晴らしい演奏。メンバ全員が最高で、非の打ち所のないクインテットなのだが、特にマルセロ木村氏の存在感がすごい。ギター、歌、口笛とユニゾンのギターソロ、とにかく素晴らしくて、完全にシビれた。アンコールはSamba de Orfeu、ひたすら盛り上がったままカーニバルのようにメンバが去っていく。ライヴなのか祭りなのかわからんくらいの興奮。
いやホンマ、音楽はええのぅ、と今更なことを感じる。自転車に乗るためにアルコールを飲まなかったのに、帰りの電車が遅く、駅に着いたら駐輪場が閉まってたから、歩くはめになったぞ。飲んどいたらよかった。