京都国際マンガミュージアム

京都国際マンガミュージアムに行ってきた。京都府に住んでおり、このミュージアムも近いのだが、なぜか今まで行く機会がなかった。

開館のちょっと後に入場。入口の手前がギフトショップになっており、なんか面白そうなグッズがいろいろ売られている。

まず驚いたのが、約5万冊のマンガが館内の壁面書庫にビッシリ収納されている「マンガの壁」。1970年代から2005年頃までのマンガがあり、もちろん閲覧自由。大人も子供も、気になるマンガをてにしては、そこらじゅうで座り込んで読んでいる。言うまでもなく、海外からの来場者も多い。

吹き抜け壁面の「火の鳥」オブジェ。「京もの活用事業」として、手塚治虫の「火の鳥」を仏師が仏像彫刻の技術で表現した作品。私自身はマンガ「火の鳥」は意味が全く理解できないのだが、この彫刻は色鮮やかで生命力にあふれ、とても魅力的に感じた。

この吹き抜けの場所が東西の渡り廊下のようになっており、火の鳥が明るいガラス壁の南を向いた格好になっている(火の鳥の顔は、少し西を向いているが)。

ミュージアムの公式サイトの画像では、夜間のライトアップでは外からもこの火の鳥が見えるようだ。

今回は、「土田世紀原画展」が開催されていた。土田世紀は、2012年に43歳で夭折。その独特な迫力を持ったタッチとシリアスな空気感は、一度読んだら忘れられない魅力を放つ、そんな漫画家だ。私も学生時代、週刊誌でよく読んだ。「俺」とか「編集王」だな。

あまり説明はくどくどと掲示されておらず、ひたすら原画を見て迫力を感じるという演出であったが、これはおそらく仕事場で使用されていた机だと思う。椅子は長時間の仕事に耐えるための高級な感じのもの。

数少ない掲示の中にあった、奥さんからのメッセージが胸を打つ。土田氏への思い、この原画展への思い、次世代の漫画家への思い。

ちなみに、このミュージアムは、「龍池小学校」の校舎を活用してつくられたもの。一部を除き、昭和4年建造の佇まいが残されているらしい。

昭和に小学生時代を過ごした私としては、この校舎の内装にはグッとくるものがあった。見た目だけでなく、木の香りも、小学校低学年を過ごした古い校舎を彷彿させ、突然、懐かしい気分に浸ってしまった。

ちょうど先日、小学校3年生時代の恩師とクラスメートでの同窓会があり、旧交を温めたところだったので、なおさらこの校舎には感激した。

京都市と京都精華大学の共同事業として整備されたこのミュージアム、日本のマンガ文化の重要拠点でもあるし、純粋に「楽しい」博物館としてもとても魅力的だ。また行こう!

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