白鵬のメンタル

白鵬のメンタル 人生が10倍大きくなる「流れ」の構造 (講談社プラスアルファ新書)
正月に、ぶらっと本屋に行ってぶらぶらと立ち読みして、結局、新書を3冊買った。最近、いろんな理由があり、本をあまり読まなくなっていたのだが、やっぱり書店でいろいろ見ていると、様々なものに興味がわいてくるもんだ。この「白鵬のメンタル」以外には「フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか」と「色彩がわかれば絵画がわかる」を買ったのだが、なんか自分の興味の対象に統一性はないみたいだ(笑)。ただし、最近、ビジネス書は全く興味がなくなり、買わなくなったな。

さて、この「白鵬のメンタル」、まあまあ面白かった。現在の大相撲界で最強の力士である横綱白鵬の強さの秘密は何なのか、について、白鵬のトレーナーである内藤堅志氏が分析したもの。論点がわりとシンプルなので、わかりやすい。大きなテーマである「『流れ』の構造化」が、自分にとって新しいテーマでありながら、ごく自然に理解できるものであった。特に重要視されている「感覚を言語化する」という観点に基づいて説明されているからだろう。白鵬という力士の強さが、いかにしなやかに生み出され、維持されているのかが理解できた気がする。

あとは、「運」と「流れの関係についても述べられており、これもまた納得。言い古されたことかもしれないが、運だけが良い人など、いない。

本書で述べられているいくつかのポイントは、David RussellのTips for guitaristsに共通している。”Always be ready”や”To play or not to play”などは、まさに本書での「運」の話や「自分の武器を知っている、うまくやれる時の感覚を自覚している」に通じるものである。やはり達人が考えていることには共通点があるようだ。そして、それらは一般人である我々の生活にも、すぐに応用できるものだと思う。

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