師匠・菅野義孝氏の大好評の教本「目からウロコのジャズギター」の続編。前編はジャズギターの基本的なテクニックを「ハーモナイズ」「アドリブ」「バッキング」「リズム・ギター」といった切り口で分類し解説するという内容であったが、この続編はスタンダード7曲を取り上げ、それぞれについてアドリブやバッキングなどの解説をしてゆくという内容。季刊誌「Jazz Guitar Book」連載記事に校正・加筆したものである。
私自身は、前編もさることながら、この続編が非常に重宝している。やはり実際のスタンダード曲が取り上げられており、「こういうコード進行においては、どんなアドリブを考え得るのか」「2小節にわたる同一コードに対し、どんなコンピングが考えられるのか」などといった実践上の疑問に対する回答が示されている(注:本書自体はQ&A形式をとっていない)。
各曲にて提示されている豊富な譜例と解説を読み、気に入った部分については盗む、あるいはアレンジしておぼえる、といったことを繰り返すことで、かなり実践的な力がつくと思う。意外にこの作業には時間がかかるもので、私はまだ2曲ほどしか手を出せていない。逆に、この本一冊を全て学び終わったら、プレーヤーとして相当な力をつけていることになるだろう。
付属のDVDには、本書収録の7曲のうち4曲のデモ演奏が収められている。著作権の事情により、全曲録音とならなかったようであるが、4曲で十分だと思う。教本本体にこそ、価値があると感じる。
ジャズギターの教則本は星の数ほどあるが、真に実用的な一冊だ。