京大教養部からギタークラブBOXにかけて歩く

学生集会所のお別れ会を、ギタークラブ現役部員が企画してくれていたので参加するつもりだったのだが、同級生だった「仏」が仕事をやりくりして関東から来て日中だけ京都で会えるという連絡が入ったので、日中から京都市内に入ることにした。

出町柳駅で十数年ぶりに仏と落ち合う。学生時代よりはだいぶ太った仏。ますます太い音でギターが弾けるであろう。出町柳駅の構内、昔から変わらんなぁ。地上に出れば叡山電鉄の乗り場。風情があってええわ。

仏と二人、つまりオッサン二人、炎天下の京都を東に歩く。やはり「このあたり昔と変わらんなぁ」と言いながら、歩く。オムライス屋自体はあるが、店名は変わったかな?いや昔のままかな?百万遍からさらに東に入って、まだまだ歩く。昔の飲食店は、ほぼそのまま営業してる。新福菜館って、仏によると昔からあったとのことだが、そうやったかなー?

京大北部キャンパスを過ぎて、さらに東に歩く。一つ目の目的地、天下一品銀閣寺店に到着。二人で入る。午後の2時前やから、店内はガラガラ。よかった。クーラーもそこそこきいていて、助かった。久しぶりに天下一品を食べるという仏。私自身は、たまに食べているが、この銀閣寺店は学生時代に頻繁に通った場所なので、懐かしい。ま、この数年、たまには訪れて店のオッチャンともしゃべったりしているのであるが。そして、まさにこの場所で、学生時代には仏と二人で音楽やらアホなことやらを夜中まで語り合って深夜3時に閉店で追い出されるということがよくあったのだった。

今回も、気付いたらラーメン食べ終わってもずっと語り続ける二人。そろそろRhymin’に移動しようということになり、店を出た。再び炎天下を歩く。皿うどんの「まつお」の所で今出川通を南に渡り、京大本部キャンパスの東側の道を歩く。このあたりも、やはり全く変わっていない。吉田神社の所で道は西に折れ曲がる。仏の学生時代の2軒目の下宿だった建物を遠目に眺めつつ(こういう下宿屋って、今でもやってるんやろか)、道なりに歩いて本部正門で時計台を見る。

そして、東一条通をはさんで南側の教養部(今は教養部とは呼ばないが、自分にとっては教養部だ)。ここは学生時代とは全く別の姿になっている。綺麗すぎて、おかしい。京大っちゅうのは古くて落書きだらけで汚いのがいいんじゃないのか?

でも、私の就職前の頃には、新しい建物になりつつあったかなぁ。あまり憶えていない。

昔(昔って言ってしまうのがイヤやな)、A号館と呼んでいたのがこの建物になったのであろう。んー、なんじゃこれ?

このA号館跡の建物の正面あたりで右に曲がり、グラウンドのフェンスの所に出た。グラウンドと、そのフェンスにある掲示板は、以前のままだ。よろしいんじゃないでしょうか。

「現代物理研究会とかいうサークルの部室があって、実態はバンドの音が聞こえてきてた」と仏が言うが、どうも記憶が明確に蘇らない。と思ってたら、部室棟(って呼ぶのか不明)が見えた。そうそう、そういえばこんな感じだった。これも変わってないのだな。

そして、その南側の建物は吉田食堂のはずだが、これは今もやってるんやろか?

さて、仏が「この先が図書館で云々」と言うので、「吉田に図書館なんてあったっけ?」と言ったが、本当にあった。

「全く記憶にない」と言ったら「そら、お前は図書館なんて行ってなかったから」とのこと。まぁそれが正解であろう。

本部構内には立派すぎるくらいに立派な図書館があるから、そっちばっかり印象にあった。でも、よくよく思い返してみると、なんかこの吉田の図書館にも、来たことあるような気もするのよねぇ。でも忘れたな。

京大教養部の名物であった「怒る人」の胸像は、もうないんやなぁと言っていたら、その胸像の写真を発見。

ほうほう。この人は折田先生という人なのか。京大と関係ある人だろうとは思ってたけど、三高時代の校長だったのか。

胸像自体は、やはりもうないのだろうか。ん?この解説の最後に「どうか折田先生を怒らせないでください」と書いてある!すごい。京大は、やっぱり冗談のわかる大学やな。

図書館の南側、昔はE号館とか呼んでたあたりかな。建物は新しく綺麗になった印象もあるが、配置自体は昔から変わってないような気がする。

仏と二人で、ここでドイツ語の授業をとったなと会話。シューベルトとかのリートの歌詞を題材に授業をやる教官で、授業の発表で点数をとれない奴は最後の授業でリートを一曲歌い切れば単位くれてやる、というものだった。

しかし、どっちかというとこの建物は夜にギターを練習しに来る場所という記憶。京都学生ギター連盟のパート練習もここでやった。

麻雀かギターかで夜を明かした後に、この中庭でギタリスト北口功氏とキャッチボールしたこともあるな。

そして更に南側、吉田キャンパスの最南端、ここが吉田寮の裏側。たまに授業に顔を出した後、ここを通ってBOXに戻ったものである。

雨が降ったらものすごいぬかるみになっていたと思うが、この日は歩きやすかった。しかし吉田寮の建物は、あらためて見るとやはり古い。学生時代はこういうものを普通の風景として認識していたから、恐ろしい。ではなくて、素晴らしい。

この明るい日差しは、今も昔も変わらない。真夏のきつい照りであるが、自分には春の新入生を照らす日差しを彷彿させる。今でもここに立つと、フレッシュな気持ちになりそう。というか、授業を抜け出してBOXに向かうアホな充実感が蘇ってくるだけだが。

まぁ、ここを通らずにもっとマトモな学生生活を送っていたら、今頃は多少なりとも立派な人間になってたんじゃないかとも思うわけだが、自分にとってはそんな仮想のシナリオはないのだな。

いったんは学生集会所を通り過ぎてRhymin’に行き、さっきラーメン食ったけどサンドイッチとコーヒーでしゃべくって、マスターとも話したりしてBOXに行ってみた。そして、そのまま夜のBOXお別れ会に突入。夜中まで語ったり、途中でギタリスト塩谷牧子さんにも来ていただいてしゃべったりして、BOXを後にしたのは夜中の1時か2時か、よく憶えていない。

これで、あの古いBOXやBOXに行く吉田寮裏の小道ともお別れ。新しい道は、自分で作ってゆく。

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