中山康樹「リッスン」

中山康樹「リッスン」を読んだ。中山氏が中学生時代までさかのぼり、以降の自身の音楽との付き合いや音楽ライターとしての経歴を語ったもの。中山康樹の著作を読み続けて20年ほどになるが、これまで中山氏自身の音楽体験は断片的に目にしただけだった。この本の存在についても最近まで知らず、既に新品での流通はないようなので古本を入手。

まーとにかく中山氏の音楽愛にあふれる素晴らしい本。私も、中学生の頃にLPで洋楽を聴き始めた体験が音楽のベースだから、自分自身とオーバーラップさせながら読んでしまったが、音楽への偏愛レベルは雲泥の差。

ビートルズをはじめとするロックに熱中した時代にも、音楽的な興味をロックからジャズにシフトしようとした時にも、中山氏は音楽雑誌で知識を吸収したのよね。このあたり、「FM Station」を毎号買って読みまくり、知識を蓄え続けていた私も同じだ。中山氏と私との違いは、中山氏は読むことと同期して、しっかりと「聴く」ことを実践した点。私は小遣いが乏しかったのと、まともなオーディオがなかったのとで、LPをほとんど買わなかった。

中山氏のストーリーは、やがてリスナーからライターになり、ニューヨークと日本を行き来し、マイルスをはじめとするミュージシャンと当たり前に会うような世界に発展する。このあたり、素人からすると大きな飛躍に感じてしまうのだが、この本、「スイングジャーナル青春録」の「大阪編」と「東京編」をベースにしたものらしく、やや断片的なものを編集した感があるのだ。すでに絶版となっているらしい「スイングジャーナル青春録」も読んでみたいところだな。

それにしても、中山康樹の文のパワーはやはり凄まじい。読めば読むほど、音楽愛が深まる気がする。

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