村井康司「現代ジャズのレッスン」

村井康司「現代ジャズのレッスン」。2年前に買って、積読のままだったのを最近ようやく読んだ。「ジャズの明日へ ー コンテンポラリー・ジャズの歴史」をベースに、2018年執筆の2章を加えたもの。

前半は、1960年代、70年代、80年代について、それぞれ特定の話題あるいはプレイヤーにフォーカスしながらジャズ界の動きを語る。後半(というか最後の30ページほど)は、ジャズの現在地と行方について論じた後、Bill FrisellとDonny McCaslineへのインタビュー。

どのテーマについても、なかなか面白い視点で書かれていて、わりと一気に読んだ。特に、「新主流派って何やねん」な話とかフリー・ジャズの話なんかは、興味深い。後半で解説されている「現代ジャズを特徴づける要素」は、普段何となく思っていたことが整理されていて、スッキリした。

とても面白い本なのだが、冗長な表現でむやみに長い文が多く、読みにくいのが難点。意味がわからず読み返すことが多々あった。中山康樹の文のような、キレと迫力を感じない。ほどよい「間」とか区切りとか、とても重要なのよね。このあたり、ジャズのアドリブフレーズでも同じなのだろう。

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