Javi “GDjazz” Pereiro “Black May”

Black MayというアルバムをMP3で入手した。演奏は、Javi “GDjazz” Pereiro with E.J. Strickland, Josh Ginsburg & Mike Moreno。ほとんどよく知らないプレーヤーばかりだが、ギターがMike Moreno。視聴してみて、いい感じだったので買ってみた次第。

インターネットで検索してみると、Javi Pereiroはスペイン出身のトランぺッターらしい。1982年だから、若いプレイヤーであるな。

Black May
このアルバム、買って大正解だった。トランペットのJavi Pereiroはバップな感じで、しかし全く古さを感じさせない良いサウンド。おしゃれなBGMとしてもイケるだろう。

ギターのMike Morenoが、これまたいい感じで弾いている。個人的には、リーダー作よりも、このアルバムでの演奏の方が好きだ。コンピングは心地良い音色で綺麗にコードを鳴らし、ソロはMike Moreno節であるがバンドのサウンドに自然に溶け込んでおり、かっこよすぎる。Mike Morenoは、実はサイドマンとしてこそ、魅力的なのではないか?違うかな?

ヘビーローテーションで聴いている。この内容で900円とは、信じられない安さ。ありがたい話じゃ。

京都大学11月祭に行った

久しぶりに、京大のNF(11月祭)に行ってみた。家族全員で行くのは初めて。

車で京都市内に入り、大学からはわりと遠い駐車場に車をとめて、散歩がてらブラブラと大学に向かった。学生時代にはなかった店ができてたりして、なかなかおもろい。それでも京都らしい町の雰囲気は、変わってないのね。

学生時代によく行っていて、昨年にOB・OGで久々に飲みに行った「よろずや」が、なんと、別の店になっていた!ショック!酒の味やつまみの味をおぼえた、あの店がなくなったなんて。しかし、ショックを隠し平静を装って東大路を北上。

我らがギタークラブの部室や吉田寮があった入口は工事中で封鎖されており、一つ北側の入口からキャンパスに入る。自分の中では「教養部」キャンパスなんだが、今は何と呼ばれているのか?ま、どうでもいいけど。昔は食堂があったあたりの入口だ。

早速、なんやかんや、やっとる。演劇の看板発見。時間があれば、こういうのも観たいけどね、今日はゴメン。グラウンドは「おまつり広場」として模擬店がずらり。なんか、勧誘というか売り込みが激しい。学生らしくていいけど。

何も買わずに(ゴメン)移動し、見て回ったり買い物をしたりした。ギタークラブの演奏会は聴かなあかんやろと思い、行ってみた。40分間で、学生4人ほどが交代で演奏。緊張してるような、してないような。でも、誰も本格的なクラシック音楽は、やらないのね。年が離れすぎているので、誰も私がOBであることなど知らないし、特に会話をせずに退散。新しい部室ができたら、また遊びに行きたいな。

私が学生の時は、ギタークラブは毎年、ギター喫茶アストリアスをやっていたのだが、最近は毎年異なるイベントをやっているらしい。演奏会以外の時間帯は、ギター体験会をやっているそうな。賑わったんだろうか。

共北3階から下を見たら、女装喫茶が営業中。なんともシュールな光景だ。客のテーブルに女装した学生が付き添ってくれるようである。そのテーブルでフツーにケーキセットを食べている男子学生。んー、わけわからんすぎて、たまらなく嬉しい。


あとは、同じ共北付近でリコーダー同好会とジャズ研の演奏を聴いた。

リコーダー同好会は、四重奏。見たことあるようなリコーダー、見たことないリコーダー。学生時代に、この同好会の人と一緒に合奏したことあったのを、思い出した。

ジャズ研は、トリオでOld Folks。ストレートアヘッドなジャズで、なんか、心地いいぞ。おそらく、この前後にもいろんなプレイヤーが演奏したんだろうけど、少ししか聴かず、場所を移動した(ゴメン)。

同じ構内で焼きそばなどを食べ、本部構内に移動。
時計台の前では何やらいろいろパフォーマンス、あとはやはり模擬店。やたら焼きそば、焼うどん、たい焼きが多いね。

時計台を東側から背後に回って、古本・中古レコード市というのがあったので、行ってみた。んー、とっても中途半端な品ぞろえ、さすが学生のやる商売はなかなか味があっていいじゃないか。それでも本を買っているお客さんもいて、これまた、ええやないか。

地下のTully’sの前で休憩し、今度は時計台を西側からぐるっと回って再び正門から東一条を西に歩いて京大を後にし、買い物をして帰宅。

学生が、ひとつひとつ、どれをとっても、ひたすらどーでもいいようなことに、あそこまで真剣に打ち込んでいるという姿は、何とも楽しい。大人になってしまった私も、童心、というほど幼くない若さに触れて、なんか元気をもらった。学生時代のアホさを思い出して、明日からまた、アホになろう!

いろんな講演とか、体験コーナーとかあったようだし、これは、本気で朝から晩まで居ようと決めれば、かなり楽しめそうだ。次回は、そんな楽しみ方もいいかも。

第6回大津ジャズフェスティバル出演

第6回大津ジャズフェスティバルに出演させていただいた。10月18日(土)、「酒・酎・音 はやし」にて。川村一郎(ba)、野本千春(gt)とのトリオ。

実は、直前にちょっとしたトラブルが発生した。演奏する曲は予め決めていたので、1週間前から夜な夜な仕上げに励んでいたのであるが、なんと!本番前日の夜中にアンプ故障!

夜中に共演の野本氏にメッセージ送信し、当日朝に余分に所有されているRolandのアンプを借用できることが確認でき、少し安心。

午前中に出発し、京都市内で野本氏と合流、アンプ2台を車に積んで大津へ。京都市内は少し渋滞したが、蹴上から大津に向けては空いていたのでスムーズに会場に到着。「酒・酎・音 はやし」さんに来るのは初めてなのだが、新しくてとても綺麗なお店。

結局、野本氏のアンプのうち、AERをお借りすることになり、セッティング。京都のフェスティバルでは立って演奏して緊張してしまったから、今回は座ろうと思っていたのだが、ステージの位置の都合上、今回も立って弾くことに。

司会のボランティアさんと簡単に打合せをして、演奏スタート。いつの間にか、会場は満員になっていた。ありがたいことだ。演奏は・・・後で録音を聴いてみたが、自分の演奏のしょーもなさに、あきれ返る。イチから出直します。

演奏終了後は3人で食事。その後、市民会館大ホールで寺井豊&藤井貞康のデュオを聴いて、帰宅。今年の芸術の秋は、なかなか忙しいぞ。

Pat Metheny Unity Group

Pat MethenyのUnity Groupのライブに行ってきた!10月12日、日本公演最終日、新神戸オリエンタル劇場。日本公演があるのは知っていたし、ファンが良い席を入手しようと必死になっているのも知っていたが、はじめは行くつもりはなかった。でも、音楽仲間の一人がチケットを入手したけど都合が悪くなったとのことで、チケットを買い取った瞬間から、なんかスイッチが入ってしまい、ワクワクし始めていた。なんでかというと、そのチケット、最前列ほとんどど真ん中だから。そらもう、興奮せえへんはずがない。

そしてようやく、ライブ当日を迎えることとなった。神戸はちょっとだけ遠いのよね。兵庫県出身の私だが、神戸はあまり馴染みがない。電車を乗り継いで、新神戸に到着。駅直結の劇場だから、便利だ。2Fの劇場入り口に着いたら、ぼちぼち行列ができ始めていた。座席指定やからどうでもいいが、とりあえず並ぶ。すぐに開場時刻となり、前進。

グッズ販売コーナーでは、やたらTシャツが種類豊富。以前は何かあればすぐにTシャツ買ってたけど、たまっていく一方なので、やめておこう。欲しいグッズはないので、パス。自分の座席に向かう。

新神戸オリエンタル劇場って、初めて来たが、すごく素敵なホールだ。座席数が多すぎず、奥行きはわりと短くて、2階と3階のバルコニー席も見やすそう。って周囲を見ながら、最前列の自分の席に着く。手を伸ばせばステージに届くくらい(実際は、もう少し距離がある)。もう、始まる前から興奮。ファンがステージのところまで見に来ては、係員に「自分の席でお待ちください」と追い返されている。

ステージ中央、私の目の前にギターが立ててある。後でわかったことだが、これはChris Potterが演奏するアコギ。他にも、Chris Potterの管楽器が立ててセッティングしてある。チケット予約をしてくださった友人の友人Sさんも別のお友達と一緒に来られて、挨拶。んー、Pat Methenyつながりで友達が増えていくなぁ!

時間になり、Pat Metheny登場。いつものニコニコ笑顔。ピカソギターで演奏開始。続けて、Unity Band(この時点ではUnity Groupではない)メンバー登場。Chris Potter、Antonio Sanchez、Ben Williams。Unity Bandアルバム収録の”Come and See”、”Roofdogs”を演奏。続けて、古いアルバムの曲を数曲。”Song X”から”Police People”、”80/81″から”Folk Song No.1″。もう、目の前であのすごいプレイをやられて、ホンマ圧倒された。2003年に米国でトリオのライブは観たが、あの時はわりと後ろの方の座席だった。今回は、泣く子も黙る最斬列だから、もう、ひれ伏すしかない。

Pat Methenyによるメンバー紹介の後、「ここから先は、Unity BandからUnity Groupに変わっちゃうでぇ」というコメントでJulio Carmassi登場。アルバム”KIN”のタイトルナンバー”KIN(<–>)”を演奏。その後も、KIN収録曲を演奏。途中、各メンバーとのデュオを続けて披露。Ben Williamsとの”How Insensitive”など。美しすぎる。

アンコールは2曲。拍手は鳴り止まなかったが、2曲で終りであった。しかし2時間半演奏し続けたPat Methenyには脱帽。ほとんど休む間もなく、このテンションで演奏し続けるのだから、プロとしての使命感もあるだろうけど、ひたすら音楽が好きなんだろうな、と思う。この天才の頭の中では、一体、音楽はどのように鳴っているのだろうか?

この感動の余韻はしばらく続きそうだ。

Kin

Pierre-Laurent Aimardリサイタル

ジャズギターデュオを聴いた翌日は、Pierre-Laurent Aimardのリサイタルを家族で聴きに行った。場所は京都コンサートホール。安い席はホンマに安くて、ものすごくお得感アリ。

Aimardといえば現代音楽であるが、今回のリサイタルは、最近取り組んでいるバッハ。その中でも今回は平均律クラヴィーア曲集第一巻。ちょうどCDがリリースされたところ。

バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻

京都コンサートホールは、最近ちょこちょこ行っている場所だ。ぐるぐると円を描くようにスロープをのぼって行く。途中の壁面には、古今東西の指揮者の肖像が飾ってあり、なんかワクワクする。
で、受付に到着。座席は、背後(ピアニストの左手側の2階)なのだが、ちょうどピアニストの左背後から手元を覗き込む場所で、すごくいいのだ。少し早目に着いたが、なんやかんやでこのあたりは満席。やっぱり、1,000円という破格値でこの巨匠の演奏を聴けるとなると、そら、みんな来るわな。

さて、時間になり、Aimard登場。あれっ、こんなに長身やったっけ?なんか、小柄なイメージがあったけど・・・これまでに、1994年頃に一度(メシアンの”幼子イエスに注ぐ20のまなざし”)、2003年に一度(リゲティのエチュード)、この人のリサイタルには行ったので、今回が3回目なのだが、ちょっと見た目の印象が違った。しかしまぁ、偽物ではなかろう。ハ長調の前奏曲、ちょっともたった歌い回しでスタート。バロックながら、なんともロマンチックな気分もする。前奏曲とフーガを12曲弾いたら、結構な時間になる。前半で船を漕いでいる人、多数。私も、途中からどの曲をやってるのかわからなくなった。

休憩をはさみ、後半スタート(いかりや長介風に)。後半は、全部、頭の中でキーを追いながら聴いた。やはりこの人の演奏は、美しい。ピアノという楽器を知り尽くして、ロマンチックになりすぎず、しかし機械的になりすぎずという絶妙なポジションにしびれる。アンコールは、なし。潔いねぇ!


終演後、CDにサインをもらった。片言のフランス語で挨拶だけしてもーたが、特別に愛想が良いという印象はなく、しかし限りなく上品で清潔なジェントルマン。サインは味があるっちゅーか、なんちゅーか。

会場近く、京都北山のベーグル屋Radio Bagelに行ってみたが、まさかの営業時間終了。で、ブリアンでパンを買って、地下鉄で帰宅。ワインとパンで、いつも通り、酔っ払い日曜日!

Peter Bernstein & Russell Malone

Peter Bernstein & Russell Maloneのデュオを聴きに行った。会場は大阪中之島のRed&Blue。Russell Maloneは、10年前にRochester International Jazz Festivalで比較的大きなKilbourn Hallで聴いたことがあっただけで、間近で聴くのは初めて。Peter Bernsteinは生で聴くのは初めて。

日中は、朝に娘の運動会を観に行き、昼は帰宅し、午後に再び運動会を観に行くということをして、さて中之島へ。

開演の80分ほど前に会場入りしたが、既に最前列は一杯。ギター仲間のてっぺいさん、野本さんともに最前列に陣取っている。私は二列目に座り、ワインを飲みつつ開演を待つ。ふと横を向いたら、ギタリスト山田忍さん発見。実はウェブサイトつながりで10年以上前から交流はしていたものの、対面するのは初めて。というか先方は私の顔など知らないので、こちらからご挨拶。こんなところで対面するとは、ホンマにびっくり。

さて、時間になり、巨匠二人が登場。素晴らしい演奏を展開。二人はそれぞれ個性を持つギタリストで、絶妙なコンビネーションで美しく融合する音楽を聴かせる。スタンダードやBe-Bopチューンなどを織り交ぜ、それぞれのソロも挟みながらライブが進んでゆく。Russell Maloneがソロで「涙そうそう」を弾いたのにはビックリ。美しい。2ndステージでのFly Me To The Moonなんかも、スローな3拍子で、ため息をついてしまいそうなくらいに美しい。

途中、Russell Maloneのソロ演奏で、マイクを顔に近づけてるし、どういうことかと思ったら、なんとヴォーカルで”I’m In The Mood For Love”。これがまた、めっちゃいい。ええ声。Russell Maloneが我々聴衆に”Do you like this combination?”との問いかけ。もちろん皆、拍手喝采で回答。

M.C.は、Russell Maloneが「My name is Kazumi Watanabe!」とわけわからんジョークを言ったりして、陽気な感じ。Peter Bernsteinは笑いをとらない。関西ではボケは大事ですぞ!

Solo Guitar Live at Smalls

ライブ終了後は、持参したPeter Bernsteinの”SOLO”にサインをもらった。なぜかRussell MaloneもそのCDにサインしてくれたが、自分のCDは持って来んのかい!売り切れたのかな?

実はPeter BernsteinもRussell Maloneも私の師匠Bob Sneiderと親しいってことなので、サインもらいながら会話をした。Peter Bernsteinが”You went to Eastman !?”と言うので、慌てて「いやワタクシはアマチュアで、Community Education Divisionのプログラムに行ってただけですわー」と回答。Russell Maloneも喜んでくれて”What’s your name?”って聞いてくれたけど、私の名前など、たぶんすぐに忘れたやろな。一緒に写真も撮ってもらった。素晴らしい思い出になるライブであった!

Jazz at Sanjo出演

京都三条通りを中心とするジャズフェスティバルJazz & Jazz “Jazz at Sanjo”に出演させていただいた。昨年は落選したフェスティバルだったから、今年はエントリして出演が決まった時から嬉しさと緊張が共存していた。春のびわこジャズフェスティバルと同じく、川村一郎(ba)、野本千春(gt)とのトリオ。

会場は「ワインバーぼわーる」。出演者説明会の際には日中のため閉まっていたので、今回、初めて足を踏み入れた。めっちゃいいお店!マスターがとても気さくで丁寧な感じの方で、ものすごく親切にプレイヤーをサポートしてくださった。マスターご自身もドラムを演奏されるそうな。

ボランティアスタッフの方などにも挨拶し、セッティング開始。1組目なので、セッティング時間は少し余裕があり、リハでブルースを演奏してみたり。

とかやってる間に、開演時刻となり、演奏開始。なんか、いつになく緊張してしまった。なんでやろ。1曲目が終わったところで、客席から手を振る男。あ、会社の同僚のI君やないか。来てくれるとはfacebookで言っていたが、ホンマに来てくれたんや。ありがとう!

緊張してるとは言いつつも、とりあえず予定していた曲をすべて演奏。最後のブルースは時間があまりなかったので、ソロは控えめに。

片付けは大慌てで。ひとまず荷物をまとめて、聴きに来てくれていたI君に挨拶。奥さんも一緒に来てくれていた。ありがたい。じゃ、飲みに行こうかということで、3人でぶらっと外へ。ちょっとお茶を飲んで世間話をし、本会場で演奏を聴き、その後、居酒屋で飲み。

昨年出演できなかったフェスティバルに出演でき、友人にも来ていただき、充実した一日であった。よし!

坂本龍一「音楽は自由にする」

音楽は自由にする

坂本龍一の「音楽は自由にする」を読んだ。坂本龍一が、幼少から現在(2007~2009頃)までを振り返る自伝的なエッセイ。

正直なところ、今まで坂本龍一の音楽にはそれほど興味はなかった。YMOは、中学生の頃に流行ったから耳にする機会はあったが、特段興味を持ったりすることはなかった。最近、NHKの「スコラ 音楽の学校」を見たりしてたのだが、それでも坂本龍一の音楽には興味なかった次第。

しかしこの本は、とても面白かった。ドビュッシーに感動してのめりこんだ少年時代の話に始まり、いつの間にかのプロとしての活動開始、高橋幸宏や細野晴臣との出会い、映画音楽の活動、YMO再開、などなど、音楽を軸とした人生が綴られている。やっぱり、この人も音楽が好きでたまらんのだなぁと感じながら、気持ちよく読み終えた。

坂本龍一のCD、買って聴いてみようかな。

Charlie Haden “Nocturne”

この夏は、Charlie Hadenをよく聴いた。そんな時に、そのCharlie Hadenの訃報が舞い込んできたのだった。ちょうど、このNocturneを入手して聴いていたところだった。

Nocturne

このアルバム、夏の夜にはピッタリである。ジャズというよりはラテンな曲目ばかりなのだが、まぁそんなことはどうでもいい。夏の夜に、あえて冷房などかけずに、キンと冷やした飲み物片手に、これを聴く。気分は、もうラテンアメリカ。昼間の情熱もさめること半ば、音楽と飲み物でクールダウンしながら何かの幻想を見る、そんなラテンアメリカにトリップ。ま、私は南米には行ったことないけど、そんな気分に浸れるアルバムなのだ。

こんな、目の前に景色が広がってくるような演奏って、ホンマすごいことだ。Charlie Hadenがすごいのか、Gonzalo Rubalcabaがすごいのか。どっちもすごいんでしょうね。下手なギターでも、そんなことができるようになりたい。

Charlie Hadenに合掌しつつ、今夜もこのアルバムを聴いて、とろけるような気分で寝よう。

京都国際マンガミュージアム

京都国際マンガミュージアムに行ってきた。京都府に住んでおり、このミュージアムも近いのだが、なぜか今まで行く機会がなかった。

開館のちょっと後に入場。入口の手前がギフトショップになっており、なんか面白そうなグッズがいろいろ売られている。

まず驚いたのが、約5万冊のマンガが館内の壁面書庫にビッシリ収納されている「マンガの壁」。1970年代から2005年頃までのマンガがあり、もちろん閲覧自由。大人も子供も、気になるマンガをてにしては、そこらじゅうで座り込んで読んでいる。言うまでもなく、海外からの来場者も多い。

吹き抜け壁面の「火の鳥」オブジェ。「京もの活用事業」として、手塚治虫の「火の鳥」を仏師が仏像彫刻の技術で表現した作品。私自身はマンガ「火の鳥」は意味が全く理解できないのだが、この彫刻は色鮮やかで生命力にあふれ、とても魅力的に感じた。

この吹き抜けの場所が東西の渡り廊下のようになっており、火の鳥が明るいガラス壁の南を向いた格好になっている(火の鳥の顔は、少し西を向いているが)。

ミュージアムの公式サイトの画像では、夜間のライトアップでは外からもこの火の鳥が見えるようだ。

今回は、「土田世紀原画展」が開催されていた。土田世紀は、2012年に43歳で夭折。その独特な迫力を持ったタッチとシリアスな空気感は、一度読んだら忘れられない魅力を放つ、そんな漫画家だ。私も学生時代、週刊誌でよく読んだ。「俺」とか「編集王」だな。

あまり説明はくどくどと掲示されておらず、ひたすら原画を見て迫力を感じるという演出であったが、これはおそらく仕事場で使用されていた机だと思う。椅子は長時間の仕事に耐えるための高級な感じのもの。

数少ない掲示の中にあった、奥さんからのメッセージが胸を打つ。土田氏への思い、この原画展への思い、次世代の漫画家への思い。

ちなみに、このミュージアムは、「龍池小学校」の校舎を活用してつくられたもの。一部を除き、昭和4年建造の佇まいが残されているらしい。

昭和に小学生時代を過ごした私としては、この校舎の内装にはグッとくるものがあった。見た目だけでなく、木の香りも、小学校低学年を過ごした古い校舎を彷彿させ、突然、懐かしい気分に浸ってしまった。

ちょうど先日、小学校3年生時代の恩師とクラスメートでの同窓会があり、旧交を温めたところだったので、なおさらこの校舎には感激した。

京都市と京都精華大学の共同事業として整備されたこのミュージアム、日本のマンガ文化の重要拠点でもあるし、純粋に「楽しい」博物館としてもとても魅力的だ。また行こう!