高内春彦「Advanced Jazz Guitar」

Advanced Jazz Guitar

高内春彦(Haru)著「Advanced Jazz Guitar」を購入した。ムック(というか、以前は季刊誌だった)Jazz Guitar Bookに連載されていたものを単行本化したもの。JGBは全て持っているのだが、今回、この単行本も買ってしまった。で、その充実した内容に、ハマりまくっている。ジャズギターの教本で、こんなに面白いものは、他にはないと思う。

JGBにおける同連載コーナーは、毎号買うたびにチラッとは読んでいただけだった。正直に言うと、Haru氏の語り口や説明の仕方がどうも自分に合わず、内容がよく理解できなかったのだ。説明がかなり簡潔で、裏を返せばあまり丁寧ではないように感じていた。なので、この単行本も数年前に発行されていたものの、手を出さずにいた。

それが、最近、ちょっと気になるテーマがあって過去のJGBを出してきてHaru氏のこの連載を読み直してみたら、すごくよくわかるんやな、これが。しかもとても素晴らしいアイデアが満載。基礎的なことはやってきた人が、一歩踏み込んだジャズを演奏しようという際には最適な内容。一流のプロのレッスンを受けているのと同じようだ(当たり前だが)。NYで巨匠たちと直接コミュニケーションしていた人だけに、いろんな逸話も興味深い。

そうなってくると、JGBをひっぱり出してきて連載コーナーを読むというのは少し不便で、結局単行本を買うに至った次第。単行本では、連載コーナーに少し加筆されているし、アルバム紹介のコラムも追加されているので内容はさらに充実したものになっている。薄い書籍なので、通勤のお供にもピッタリだ。

ただし、前述のように、説明が簡潔であることは間違いないので、自分でちゃんと考えながら読まなければ理解できないと思う。そして、記載されていることを実践するのが大事であることは言うまでもない。言うは易し、であるが・・・ま、じっくりと取り組もうと思う。

既に、続編であるJazz Guitar Cenceptも買っており、こちらも充実した一冊。

JAZZ GUITAR CONCEPT(CD付) (jazz guitar book Presents)

ベースとデュオ練習

ベースのIchiroさんとデュオ練習。

There is No Greater Love、St.Thomas、Misty、Another You、Bop-Be、Fly Me to the Moon、Straight, No Chaser。

秋のフェスティバルで演奏する予定のスタンダードが中心。毎回、同じ感想であるが、ドラムがいないと、かなりのプレッシャー。リズムがゆらぐ、ゆらぐ。逆に、メトロノームがあると、かなりいい感じでグイグイいけるので、マインドの持ち方次第なのだと思う。

Four & More以前から、この盤は必携だと思いながら、なんか買わずにいた。Greater Loveが収録されていることもあり、ついに購入。冒頭のSo Whatから、Tony Williamsとともに快走するMiles。トランペットの音色も、瑞々しい。

また明日から練習、練習。

久々のRhymin’

学生集会所が取り壊されるという話をしているうちに、どうしても学生時代に時々行った喫茶店Rhymin’に行きたくなった。

このお店、京大の学生(教員とか京大病院のスタッフも、かな)がわりと通い詰める場所である。私も大学に入学した直後からよく通った。マスターはお客さんを大事にされる人で、我々の自主企画の演奏会が定休日と重なった時には、わざわざ家族で聴きに来てくださったりしたものだ。

ということで、居ても立っても居られなくなり、週末に、家族でRhymin’することにした。妻子にとっては初めてのRhymin’だ。

久々に店内に入ったら、昼前の時間帯のため、わりと空いていた。店内のテーブル配置や雰囲気、学生時代と全く変わらない。うれしいなぁ。

水とお手拭きを運んでくれたマスターに挨拶したら、よく憶えてくださってた。学部を卒業して大学院生だった時に自主企画で実施した桂のバロックザールでの演奏会や私の演奏の印象などをよく憶えてくださっていて、感激。

メニューも、黄スパとか白スパとか、懐かしい。家族で、カレー、ピラフ、サンドイッチを食べながら、マスターと車やら時計やらの話もして、昼頃になりお客さんも増えてきたところで、会計をして店を出た。

懐かしい場所で、懐かしいマスターと話すことができて、嬉しかった。また、来る!

同じ東大路通りのカレー屋、ビィヤント。学生時代には、ここにもよく来たもんだ。

さらっとしたルゥで、味はかなり辛いのだ。私は特にベジタブルカレーが好きだ。少し贅沢をしたいときにはカツカレー。目の前でさっとカツを揚げてくれるのだ。辛めのカレーと一緒に食べると、カツが全くくどくない。

店のおばちゃんは、「うちのカレーは、辛いよ。甘口でも、ほかの店の辛口くらいよ」と自慢げに言う人である。今回、ちらっと覗いてみたら、おばちゃんがカウンター内で仕事してはった。学生時代から既に20年以上たったから、おばちゃんも年を取ったはずだが、変わらない感じだ。やはり嬉しいな。

この店にも、もう十数年、来ていない。そのうち来ようと思いながら、ずるずると時間がたってしまった。この辛さは子供を連れてくるのは難しいだろうから、今度、一人でぶらっと来ることにしよう。

さて、居酒屋の「よろずや」。ギタークラブの部員御用達。今の部員達は、来てるんやろか。

ここは、まだ酒のうまさなどがよくわからない学生時代、先輩に連れられてよく来た。当時は今ほどは焼酎文化が根づいていなかったから、いつもビール→熱燗という流れであった。ぺったんたん先輩は、いつも「バクダン」を飲んでたな。いまだに、あれは何だったのか、謎。

初めて「うにくらげ」を食べたのも、この店。今でも時々、うにくらげを買って食べることがあるが、いつもここで初めて食べた時のことを思い出してしまう。

最後はだいたいいつもお茶漬けを食べてお開きにして、皆でブラブラとBOXまで歩いて帰ったが、そのまま麻雀やる奴やらギター弾く奴やらまちまちだったが、基本的に私は酔っ払って椅子を並べて寝てたかなぁ。

この店も、ちょっと覗いてみたら、店内で夜の営業の支度をしてはった。また行こうっと。

今度は、近衛通りを東に入ってみたいな。

京大学生集会所

学生時代のほとんど全てを過ごした京大の学生集会所が、遂に、遂に、あぁ遂に取り壊されることとなったらしい。有名な吉田寮と同じ敷地にある、古くてボロい建物だが、私にとっては神聖な場所。

ちょうど、京都市内に行く用事があったので、家族で東山近衛~丸太町界隈を歩いてみた。

いきなりだが、東大路通りから学生集会所や吉田寮がある敷地に入る所の光景。ここを何度、学生時代に通ったことか。秋にはこの銀杏木が色づいて、黄金のトンネルになる。匂いもなかなか強烈であったが。

たまたまではあるが原チャリが倒れているところも、なんとも雑然としたこの場所の空気を感じさせる。

この正面奥が吉田寮。今回は寄らずに帰ってきた。学生時代にも、ほんの1、2回、興味本位で足を踏み入れただけであったので、あまりよくわからん。ひたすら埃の匂いがしたのを憶えている。

学生集会所の入口手前から、東を向く。何のビニールシート?

その奥が、我がギタークラブのBOX(部室)の窓。昔、夜中にBOXに行ったら、ドアの外の南京錠がかかったままなのに中からギターの音が聞こえた。不思議だと思いながら開錠して入ったら、某同級生が涼しい顔をしてギターを練習中。聞けば、BOXに入ろうとしたら暗くて南京錠の番号を合わせることができなかったから、仕方なくこの窓から侵入してたということであった。行動がおかしすぎる。

朝までBOXで飲んだり麻雀をしたりし、鳥の声が聞こえてきたのも、この窓からであった。秋の朝に近所のおばちゃんが銀杏を拾いに来てガサゴソやってたのも、この窓の下であった。

土日だからだろうか、この日は自転車の数が少なく感じた。いや土日ならなおさらサークル活動するんちゃうんか!学生たちよ、何しとるんや?あるいは、最近はここに集まる学生の数自体が減っているのだろうか。

そして、学生集会所の入口。あっ、手前が舗装されてる。以前は、舗装されてなかったので、雨の日などはぬかるみになってたり、ぬかるみの上に板が橋のように置かれてたりしたはず。なんか便利になってるな。

合唱団の看板の存在感が大きい。ギタークラブは入口左側に控えめに。昔から看板って、あったかいな?

この壁などは、おそらく建てられた当時のままなんやろな。古すぎる。

学生集会所に入ると、まずこの光景。すごい。全く変わってない!

「堂食」(=食堂?)って、なんで?

トイレの中は、怖くて覗かなかったが、これもまぁ変わってないんやろね。

水道水を「飲まないでください」って。これを飲もうという気には、なれへんから心配無用。

この棚はどの部のもので、中身は誰のものなのか?

入口付近、2階へ続く階段。これもやはり、学生時代から全く変わらない光景。

2階は、民族舞踊研究会やったかな。がらーんと大広間のようなフロアであった。練習が始まると、ドタバタして、1階のBOXの天井から塗装がパラパラと落ちてきたものである。

2階にはピアノがあり、2つ年上のピアニストの大井浩明氏がたまに弾いてはったような気がする。その同級生のメリ田牛也氏(仮名)も早朝に練習してはった。

ギタークラブや京都ギター連盟の練習で、たまにこの2階を使わせてもらったこともある。

今回は、下から階段を眺め、写真を撮影するだけで、2階に上がることはしなかった。特に理由はないけど。

入口を入って、東を向く。

書棚に譜面が整理されているが、これ、誰の?オケ?こんな所に置いてたら、すぐになくなるんちゃうの?奥の譜面台も然り。

このあたりの棚も、学生時代から変わってないのかもねぇ。昔は黒電話が置いてあったな。

手前の棚に架かっている黒い物体、なんか怖いぞ。

集会所の1階廊下の東の端(吉田寮側)から西を向く。

ギタークラブのBOXが入口付近だったから、学生時代はあまりそれ以上奥に入ることはなかった。この廊下の端まで来たのは、おそらく1、2回だろう。

それにしても、何とも退廃的な空気。壁も灯りも、おそらく全く変わってない。立てかけてある看板っぽいものは、何じゃ?

この画像、見てるだけで、埃っぽい香りが蘇ってくる。

この画像の左手の叡風会だけは、この日も誰かが中にいたようで、会話の声が聞こえた。あっ、でも部屋の場所が違うかな。何部かな。よくわからんわ。

右手の将棋部か囲碁部は、中を覗いてみたが、がらんとした畳部屋に扇風機が置いてあるだけで、かなり怖い雰囲気。

で、ギタークラブのBOX。

初めてこの扉からBOXに入った日のことを、今もはっきりと憶えている。人生の転落が始まった、記念すべき素晴らしい日だ。

この日は、誰もおらず、鍵を開けることができないから、BOXに入ることはできなかった。もし誰かいても、現役部員は知らんから入らんかったと思うが。

背伸びして中を覗いてみた。昔、窓際に置かれていた重厚な机が、BOXの真ん中あたりにきている。下宿していなかった頃、自宅に帰るのもめんどくさくて、この机の上に古くて汚い布団を敷いて、よく寝たもんだ。翌朝にどうしても出席しないとヤバい授業がある時なんかも、ここで寝たな。

この学生集会所、そしてギタークラブのBOX、建て替えられて、どんな感じになるのだろうか?

大学に入学した翌日くらいから入り浸り、大学院を修了して就職するまで離れることができなかった、この愛すべき学生集会所、BOX。吉田寮を含め、京都大学のカラーを凝縮したような(ホンマかいな~)この場所と香り。取り壊されるのはさみしいが、それも時代の流れだろう。ここだけは時間が止まっていることを確認できたが、いつまでも止まっていることはできないらしい。俺も前を向いて歩こう。

Jim Hall Signature Licks

大津ジャズフェスティバルでの出演も決まり、練習にも気合が入る今日この頃。ベース+ギターというシンプルな編成だけに、やはり緊張感はただならぬものがある。

Jim Hall - Guitar Signature Licks

やっぱり自分はJim Hall & Ron Carterの名盤”Alone Together”が好きで、このところずっと聴いているのだが、このTranscribe本にはその中の2曲が含まれている。これで、Jim Hallの華麗なヴォイシングをコピれるので便利。残念ながら自分で採譜すると、えらく時間がかかるので、この本でカンニングしている次第。

しかしねぇ、タイム感というか、ノリというかセンスというか、をコピーするのが一番難しいな。当たり前の話ではあるが。

ベースとデュオ練習

デュオのパートナーichiroさんと、練習セッション。今日は、ichiroさんのご自宅にお邪魔した。

自宅の離れの2階にマイ書斎を持つichiroさん、羨ましい。書棚、机、パソコン、オーディオ、CD。なんか、楽しそうな物が満載の部屋。

さて、お茶をいただきつつ、セッション。There Will Never Be Another Youにはじまり、秋のジャズフェスティバルでの演奏を想定した曲目で練習。

Fly Me to The Moonだけは、ボサノヴァのコンピングをフルアコでやるのはどうもしっくりこないので、ナイロン弦のサイレントギターで。

ところでこのサイレントギター、2日ほど前に弦を張り替えたのだが、なんか高音弦のブリッジ側の端の固定方法が、自分のやり方と異なっている。というか、ブリッジからはみ出した部分が、丸結びされてる。こんなやり方、自分は絶対にしない。

・・・ちゅうことは、やな。このギターを買った2002年以降、一度も高音弦を交換してへんっちゅうことか???いや、それは流石にありえへんやろ。しかし、この結び方は、絶対に俺じゃない。このギター、2002年からの2年間、Rochesterでずっと弾いてた楽器やし(当時、フルアコ持ってなかった)、そんなに弦を交換せーへんかったんかな、いやぁ不思議すぎる。ま、ええか。

そんなこんなでFly Me to the Moonを演奏してみたが、音量にはやはり課題あり。いろいろ試行錯誤しなければ、ええ音は出ないんやな。

あとは、Bop-BeとThere Is No Greater Love。Bop-Beのテーマの特定の箇所を、どうしても間違える。ダメすぎる。

非常識な時間帯にお邪魔したため、昼ごはんをご馳走になってしまった。美味しい。ジャズを語り合える仲間は、なかなかいない。膨大な量のジャズCDを見ながら、マイルスのあのアルバムはねぇ、みたいな会話ができるのは幸せなことだ。

昼過ぎに解散。なんとなくHank Mobleyを聴きながら帰宅。

Mike Moreno Workshop

2013/05/29(水)19:30~、Mike Morenoのジャズギターワークショップに参加してきた。コンテンポラリーなスタイルのギタリストならこの人、という感じでよく語られる注目のギタリスト。

開場の20分ほど前に会場の三木楽器に到着してしまい、どうしようかと思ったら、既にギターを持った人々が数人並んでるではないか。早めに来てよかった、と思いながら列につく。

開場時間となり、2階にぞろぞろと入り、一番前の席を陣取る。一人一台、ギタースタンドを貸してくれたので皆、席の前に自分のギターを置く。ギターを持参しているのは10名足らずで、二列目以降はギターなしでの参加者。でもかなりの人数だ。ざっと見た感じでは、全部で70人くらい、あるいはそれ以上か。いかにこのギタリストが注目されているのかが、伺える。隣のギター持参のお兄さんが「めちゃくちゃ楽しみですね!」と話しかけてきた。なかなか熱い、いいねぇ!

さて、19:30になってMike Moreno登場。まずはT.MonkのEvidenceを演奏。トレードマークの浮遊感と潤いのある音色が、ソロギターの聴きやすさにつながっているようだ。心地よいグルーヴ。


ここからは、予想外の展開で、愛器Marchioneについての話。ルシアーMarchioneとの出会い、この楽器を製作してもらうまでの過程、完成してからの評価、などなど。Marchioneからの一方的な求愛(?)で製作されることとなったこの楽器、自分が注文をつけた点として、セミホロウのギターで、too acousticでないこと、サステインが十分にあること、ミッドレンジの音がしっかりしていること、一部の仕様についてGibson335と同じにすること、などを説明。実際に音を出しながらの説明で、説得力あった。三木楽器、いやMarchione恐るべし。

次に、Marchioneの新作が入荷されたとのことで、それをMikeが演奏し、コメント。いかにも楽器店でのイベントやな。

その後、いよいよワークショップ。Mikeからのレクチャは無し、全て質疑応答で進めるという、これまた予想外のスタイルだったが、これは結果的にはよかったと思う。様々な質問があり、それに対して的確に回答し、さらにその質問から発展した話題まで話してくれたりして、とても勉強になった。私も2つ質問して、いい回答をもらった。全体として、かなり勉強になった。よっしゃ!

で、一人の参加者がMikeとセッション。結局、その他のギター持参者は、皆、ギターを並べただけで一切演奏する機会なし。なんちゅーこっちゃ。ワークショップの中心であった質疑応答が良かったので満足ではあるが、こういうスタイルだというのは、予めゆーといてほしかったな。ワークショップが終わったのが21:00頃だったので、一時間半ほどMikeは喋りっぱなしだったわけやな。お疲れ様でした。

というわけで、一人を除きギターを弾くことがなかったギタリスト達が楽器を片付け、少し休憩を挟んで、Mike Moreno Quartetによるミニコンサート。長時間のワークショップをこなした後ということもあってか、2曲だけ演奏された。しかし、さすが一流のプロ、ものすごいテンションで素晴らしい演奏を聴かせてくれた。Mikeのソロは、本当にユニークなサウンドで興味深い。アンコール?という声もあったが、”Sorry”とのことで無し。お疲れだったとも思うが、本人もそんなに盛り上がってなかったのかな?

終演後、CDにサインしてもらい、握手。にこやかに話してくれて、感じよかったが、やはりお疲れの様子。

Another Way

FIRST IN MIND

zephyr

zephyrテナーサックス+アコースティックギター+エレクトリックギターというユニークな編成のトリオ”zephyr”のアルバムが発表された。我が師匠・田口悌治氏はアコースティックギターを担当。

zephyrは「ゼファー」と読み、ギリシア神話の西風神の名、そこから転じて西風を意味する言葉らしい。

Amazonで予約して入手、早速聴いてみた。編成がユニークなだけあって、サウンドもユニーク。zephyrという名からイメージできる、風のような心地よい響き。メンバー全員、ジャズミュージシャンではあるが、これはもう、ジャズというジャンルに全くとらわれない、自由な音楽だ。高度な技術をひけらかすことなく(やっていることはもちろん、高度なことだと思うが)、リラックスして聴かせる音楽。ヒーリングミュージックのようで、そんな軽いものでもない。不思議な魅力を感じる。

現在、このzephyrのアルバムリリースライブのツアーが進行中。←ポスターでは全員、ちょっと怖い顔つきをされているが、心優しいミュージシャンばかり(のはず)!関西は5/16(木)和歌山Desafinadoと5/19(日)京都RAG。関西の音楽ファンは、是非参加!

ベースとデュオ練習

びわこジャズフェスティバル2013が終了し、ベース+ギターというデュオで活動を続けることになった。ベース川村さんと、いつものスタジオでデュオ練習。

いくつかのジャズフェスティバルにエントリしようとしているので、応募用の音源作成をする必要がある。今回の練習は、数曲をそれぞれ数回演奏して、練習と録音を兼ねることとなった。

ある程度弾き慣れたThere Will Never Be Another Youを応募用音源の本命と位置づけて演奏したものの、なんかテーマをトチってしまったり(汗)、思うようにソロが流れなかったりで苦労。ソロに入ったとたんに走り出してしまう初歩的な失敗もアリ。

曲を変えて、Fly Me to the Moon、枯葉、Alone Together、酒バラ、Straight, No Chaser、There Is No Greater Loveを演奏し、それぞれ録音してみた。後で聞き返してみたら、Another YouよりはFly Meの方がギターソロはいいかもしれないが、ボサノヴァ風のコンピングがダメな感じ(とういか、ベースとうまくかみ合っていないのかも)。

そもそも、ベース+ギターというのは「間」が難しいというか、怖いというか、かなりプレッシャーを感じる編成だ。しかし、これをうまく乗り越えれば、ひとつ成長するような気がする。とにかく真面目に練習するのみだ。

練習後にマクドでコーヒー飲みながら、二人で今後について相談。というか雑談半分。引き続き頑張りましょうということで、ひとまず解散。

ジャズの世界でベース+ギターといえば、おそらく最も有名なのはJim Hall & Ron Carterの”Alone Together”。この盤で巨匠二人が創り出す空気というのは、もう私にとってもバイブル的な存在なのだが、他にも優れた録音がいくつかある。

井上智&北川潔の”Live at Smoke”も、そのうちの一つで、素晴らしい熱気を感じさせる名盤。井上智は速弾きとかで聴かせるタイプではなく、暖かい音色やフレーズを丁寧に紡ぎ出し、トータルなサウンドで聴かせる。北川潔はぶっとい音色で力強く歌うベーシスト。上述の”Alone Together”とは一味もふた味も異なる、これまた魅力的なデュオ。

ライブ・アット・スモーク

そういえば、米国に住んでいた頃にこのCDを聴いて、NYCに井上氏の演奏を聴きに行ったのだった。たまたま私が師事していたBob Sneider氏が井上氏と面識があったり某日本企業の現地法人勤務Todosさんとネット繋がりであったりしたことから、2004年春に、車でNYCへ(同じNY州やのに、6時間ドライブ)。その時は、井上氏はベースの井上陽介氏とデュオ。レストランでステーキ食べながら、そんなすごいデュオを聴けるとは、なんか豪華だったなぁ。ノーチャージやったような気もする。

びわこJAZZフェスティバル出演

びわこJAZZフェスティバルin東近江2013に出演させていただいた。4月20日(土)16:00~、コミセンステージにて。エントリ時にバンド名を決める必要があったので、「Calamari」とした。メンバーのイニシャルを並べたら「IKA」なので、「烏賊」にしようかとか考えたが、イタリア語のcalamariが、イカリングのフライの呼称にもなっているので、美味そうだから、これにした。

ジャムセッションを除けば、人前でジャズを演奏したのは2004年のRochester以来だ。昨年から、「バンドを組んで、練習する」「人前で演奏する」を目標にしてきていたので、今回のフェスティバル出演は、その実現だといえる。

 

昼過ぎに家を出て、家族と一緒に会場へ。周辺はフェスティバルののぼりが並び、盛り上がっている様子。コミセンのステージでは、二組前のグループが演奏中。上手すぎるぞ、おい。この会場は、プロが中心に出演するところで、なぜか初日のトリが我がCalamariというプログラムであった。緊張もするが、とても良いサイズの部屋で、嬉しい。客席とステージの空気の共有が心地よい、ちょうど良い距離感。

 
 
ベース川村さんとピアノ生田さんも控室に集まり、大まかな段取りを打合せ。前のグループの激しい演奏が終わった後、セッティング開始。譜面はさすがに全て頭に入っているので譜面台はなし。ただしThis MasqueradeとBop-Beだけ、念のため足元に置いた。司会者と少し話して、時間が来て演奏開始。
 
  1. There Will Never Be Another You
  2. Fly Me to the Moon
  3. Bop-Be
  4. This Masquerade
  5. Take the Coltrane

久々の人前での演奏、しかもジャズフェスティバル出演は初めてということもあり、前日からやたらと緊張してしまった。ジャズの演奏でここまで緊張することは珍しい。2日ほど前には、ステージで、何故か客席に背を向けて演奏してしまって後で気づくという意味不明な夢まで見てしまった。

 
 
 
 

1曲目のアナザーユー、ピアノがジャラーンと練習時に弾いたことのない和音を出す。えっ、アナザーユーよね!?と焦ったが、洒落たイントロであった。ピアノは2コーラスでソロを終えるかと思いギターのヴォリュームを上げて準備したが、ソロ3コーラス目に突入し、グイグイ盛り上げる。こちらも心地よくコンピング。にっこりアイコンタクトが来たのでソロ交代。まだ少し緊張していて、指がやや震えるが、何とかアドリブを2コーラス。ベースソロ。やはりベースソロの時のコンピングの出しゃばり具合が難しいが、ピアノが節目ごとに軽くコードを入れるので、ギターは余計なことはあまりしないようにした。無事エンディング。

 
 
 
 

フライミー、これもピアノが3コーラス、ギターが2コーラス、ベースが1コーラスのアドリブ。

 
 

次に、Keith Jarrettの隠れた名曲Bop-Be。ピアノのイントロに乗って、ご機嫌でコンピングし始めたら、冒頭のコード間違えた(恥)。気を取り直して、これもイイ感じで演奏。

 
 

This Masqueradeは、予定よりも遅いテンポで演奏開始。もう、完全なバラード。ABAのうちBはテーマもアドリブもギター。Bridgeの箇所だけのアドリブって、なんか難しいな。すこーしだけ盛り上げて、あとはメロディフェイクしたフレーズを弾き、ピアノソロにつなぐ。

 
 

最後はFブルース、Take the Coltrane。10分くらい演奏してよいはずなので、自分も長めのソロという案も思いついたが、4コーラスか5コーラスくらいでなんか自分が弾ききった気持ちだったので、ベースソロに引き継いだ。

 
5曲とも、無事に演奏終了。あぁよかった。緊張した。
 
 

終了後、お客さんの一人がピアノ生田さんに質問している感じなので近寄ってみたら、「譜面にはメロディしか書いてないのに、なぜ左手は伴奏できるのか」みたいなことをきいていた模様。くるっっとこっちを向いて、「あんたもなぁ、譜面無しで弾いてたときは、どうなってんのや?」「あんたのギターは、コードでなんかに繋いでたけど、そうするとエレキギターなんか?」「ギター何本くらい持ってるん?」「ギター高いんか?」などと質疑応答(笑)。いろいろ興味を持ってもらえるのは、ありがたいことだ。私の次は、ベース川村さんが質問攻めにあってた。「これから打ち上げか?」「いえ、別の用事がありますので」とか(笑)。

 
 

メンバーそれぞれ用事があるので、解散。お疲れ様でした。このジャズフェスティバル、素晴らしい。東近江の街を、楽器を持った人やパンフを持った人がたくさん歩いている。この雰囲気は最高である。実行委員の皆さん、ありがとうございます!

 
 
自分の演奏の反省点。
  • 音量コントロール。コンピング時の音量をもう少し上げるべき。ソロの時の音量も小さく感じたが、聴いていた家族は十分だと言っていた。どうなのか?そういえば、前回のスタジオでの練習時も、音量不足だった。デッドなサウンドのROTOSOUNDの弦に変えたのが悪いのかもしれない。もう少し、いろいろ試して調査してみよう。
  • 音色。シングルノートでの音色がやや細かったりした。丁寧なピッキングで、もっと太くまろやかな音色を出せるように注意すべき。

で、次のジャズフェスティバル出演に向け、練習再開である。