STEVE GADD BANDのライヴに行ってきた。2015年9月8日、場所は大阪CLUB QUATTRO。
Steve Gaddは、NY州Rochester出身、Rochester大学Eastman School of Musicで学んだという経歴だから、かの地に2年間住んでEastman Schoolでジャズギターを習った私としては、勝手に大先輩として親近感を抱いているのだ。
Eastman Schoolでの私のジャズギターの師匠Bob Sneider氏もやはりSteve Gaddとは親しいってことだし、更にはLarry Goldingsとも親しいとのこと。
遅ればせながら、8月末にチケットを購入し、このバンドのCDも入手して予習した。メンバーは次の通り。
- Steve Gadd (dr)
- Michael Landau (gt)
- Larry Goldings (org, key)
- Walt Fowler (tr)
- Jimmy Johnson (ba)
さて、ライヴ当日。会社を定時に退出し、CLUB QUATTROへ直行。「全席自由席」とのことだから、早めに行こうと思ったのだ。ところが、会場の受付に行ってみたら、「チケットに記載の整理番号順に案内します。会場までは時間がありますので、あとで来てください」というので、いったん退散し、泉の広場近くの喫茶店へ。コーヒーを飲みながら、同じライヴを聴きに来る予定のギター野本さんにメッセージを出して、読みかけのジャズ本を読むという優雅な時間を過ごす。そうしているうちに、野本さんも喫茶店に合流。いつものようにジャズ談義で盛り上がって、開場時間頃に再び会場へ。
受付に到着したら、今度はもう、長蛇の列。10Fの受付から階段に沿って行列が5Fまでつながっとるがな。なんじゃこれ。そして、整理番号順に案内と聞いてたのに、「1番から190番までのお客様は入ってください」とのおおざっぱな案内。行列は整理番号順じゃなくてきた順に並んでるし、誰が何番なのかわからんし、結局、何のための整理番号かさっぱりわからん。もっとちゃんとシステマティックにやってほしいよな、みたいな声があがる中、ようやく受付を通過してホール入り。カウンター近くの、わりとステージがよく見える席に着く。
ビールを飲みつつ、開演を待って、ついにバンドメンバー入場。セットリストはこんな感じであった。Steve Gaddによる曲名紹介、Rochester訛を感じて、なんか嬉しい。特に「Elegant」の発音に訛を感じたな。
- The Windup
- The Long Way Home
- Green Foam
- Desu
- Africa
- Duke’s Anthem
- Way Back Home
- Ask Me
- Elegant Square
- Sly Boots
- (アンコール)不明
CD聴いたときから思っていたのだが、このバンドは、もうジャズというジャンルの範疇なのかは、よくわからん。まぁそんなことはどうでもよくて、バンドとしてのサウンドのバランスとかがとても心地よい。もちろん全てのメンバーが一流だからそれぞれの個人技は素晴らしいはずなのだが、名人技を順番に聴かせてゆくスタイルではなく、アンサンブルとしての音楽を聴かせるバンド、という印象。
終演後、サイン会がセッティングされていたので、これまた長いこと行列で待って、持参したCDにサインをもらった。全メンバーと会話したのだが、全員が、すっごく感じのいい人々。さっきまでの演奏中の真剣な顔つきとは打って変わって、普通のアメリカ人のおっちゃん達って感じ。Walt Fowlerはにこやか。Jimmy Johnsonは挨拶しながら握手したとたんに突然「君、楽器やるのか?」と聞いてきた。「ええ、少し」「何を弾くの?」「ジャズギターを」「そうか!握手した時の手の構えが、楽器を弾く感じだと思ったぜ」とのこと。ホンマにそうなの?「いや、自分でもそんなこと知らんかったわー」って言ってるうちに、Jimmyが隣のギターMichael Landauに「彼、ギター弾くんやって」と告げて、Michaelがこれまたすっごく感じの良い笑顔で挨拶。Larry Goldingsには師匠Bob Sneiderの話をしたら「よく知ってるよ。彼の兄さんのJohnもよく知ってる。一緒に演奏してるよ」とのこと。最後にSteve Gadd。やはりBob Sneiderの話をして、「Rochesterに2年間、住んでたんやで」と話すと、「(Rochesterは)寒いよねー」って反応。「こいつ、Bob Sneider知ってるらしいぞ」と隣のLarry Goldingsに声かけてた。演奏を聴いても、近くで会って話しても、とても70歳とは思えない若さを感じる。
ちょっとした手違いがあり、サインはジャケットとブックレットの2つに分かれてしまった。どっちか1つに5人のサインを揃えるでしょ、普通。Steve GaddとMichael Landauのサインは両方に書かれた。うーん、ま、いいか。
またギター野本さんと電車で音楽談義で盛り上がりながら帰宅し、またビール飲んで寝た。
翌日も、復習と称して通勤中にこのCDを鑑賞。うーん、やはり、どこかにありそうでなさそうな、ユニークなサウンドだ。
ちなみに、このバンドメンバーでの録音は2枚あり、この日の演奏曲は全てこの2枚に収録されたもの。ジャケットは1作目のGadditudeの方がいいな。