ジャズ・スタンダード・バイブル2

ジャズ・スタンダード・バイブル2 ~セッションをもっと楽しむ不朽の227曲 (CD付)

ジャズ・スタンダード・バイブル2(セッションをもっと楽しむ不朽の227曲)を入手した。「ジャズ・スタンダード・バイブル」の続編。

前作でカバーできなかった名曲がうまく網羅されており、これからかなり重宝しそう。この続編で取り上げられている素晴らしい曲目を見ていると、わりと充実していたはずの前作でも不十分だったのだと感じる。「えっ、この曲が前作に入ってなかったの!?」という驚きが多い。

「どスタンダード」で飽き足らないプレーヤーにとっては、この本は必携となることだろう。私も、この曲集を活用して、以前に練習した曲や知っているだけの曲などをどんどん弾き倒していこうと思う。

Kathleen Battle at Carnegie Hall

Kathleen Battle at Carnegie Hall
秋になると、どうしても聴きたくなる、このアルバム。Kathleen Battle at Carnegie Hall。1991年のリサイタルの録音だから、もう20年も前なのか。私は学生だった1994年頃にこの盤を手に入れ、ボロ下宿のラジカセで、キャスリーン・バトルの澄んだ、限りなく美しい声に聴き入ったものだ。おそらくそれが秋だったから、秋になると聴きたくなるし、聴くと京都の紅葉を思い出す。

冒頭は、テレビCMで一世を風靡した「オンブラ・マイ・フ」。CMで流行った曲に聴き入るのはなんか悔しいのだが、ここはやはりひれ伏すしかない。潤いをもつ歌声に包まれ、鳥肌が立つ。いきなり聴く者を圧倒してしまう、あるいは虜にしてしまう魔法の歌声、これはいったい何なのか。

その後もモーツァルトのアリアやラフマニノフ、最後の方には黒人霊歌(これがもう、最高のセンス)まで出てきて、もうやられっぱなし。

ステージ外での行動についてはわりとネガティブな話が聞かれるバトルであるが、このCDにおけるバトルは、ひたすらに優しい歌声で聴く者を魅了する。このCDを手にして20年たったこの秋も、やはり私はこれを聴く。

中崎タツヤ「もたない男」

もたない男

増え続ける本やCDへの対応をどうしようかというのがこの長年の悩みであるが、結局は私の場合は整理術とかの話以前に「捨てる」「増やさない」というのが必要だというのが最近の結論。

まず、「捨てる」について。私の場合、今のところ、CDは捨てる気はなくて、本は、可能な限り捨てる。しかし、一気に頭を「断捨離」の発想に切り替えることができず、「通勤電車でぼちぼち読むかもしれん」みたいな発想で多くの本を捨てきれずにいた(いる)。なので、この数年で何度かに分けて処分。「前回に捨てられなかった本も、今回は意識を変えて捨ててしまえ」みたいな感じで。

そんな感じで、だいぶ本を減らすことはできたのだが、先日、図書館で中崎タツヤの「もたない男」を見つけて借りてきた。「じみへん」とか好きなので中崎タツヤの本にも興味をもって借りてきたのであるが、ここには「物をもたない」ことについて徹底している中崎タツヤの生態(?)について詳しく書かれている。もう、尋常ではない。病的と言っても過言ではなかろう。中崎氏の漫画の「プッ」と笑ってしまうネタは、このようなシンプルをきわめた環境から創造されているのか。

まぁ、中崎氏ほど徹底した「もたない」生活は私には無理だし、そこまで「もたない」ことに憧れることもないのであるが、ともすれば無駄なものを持ちがちな私のような人間には、大きな刺激となる、面白い本であった。

New York ジャズ・ギター・スタイルブック

NEW YORKジャズギター・スタイルブック CD付

ジャズギター界ではトレンドをとらえたというか、でもやっぱりマニアックというか、とにかく興味深い本が出版されたもんだ。これはとにかく入手せないかんということで、楽器店で購入。

  • カート・ローゼンウィンケル/Kurt Rosenwinkel
  • アダム・ロジャース/Adam Rogers
  • ジョナサン・クライスバーグ/Jonathan Kreisberg
  • ジュリアン・レイジ/Julian Lage
  • マイク・モレノ/Mike Moreno
  • ラーゲ・ルンド/Lage Lund
  • ベン・モンダー/Ben Monder
  • スティーヴ・カーディナス/Steve Cardenas
  • ギラッド・ヘクセルマン/Gilad Hekselman
  • ニール・フェルダー/Nir Felder

NYのコンテンポラリーなスタイルのギタリスト10人について、経歴やプレイスタイル、使用楽器などを紹介した後、コンテンポラリーな演奏の技術について解説、最後にこのようなスタイルをスタンダードに適用する例を提示、という構成。ギタリスト紹介については、情報収集をすれば同じような情報があるまるのかもしれないが、技術解説は、なかなか貴重だ。これから秋の夜長、じっくり楽しんでみよっと。

jazz guitar book vol.35

jazz guitar book [ジャズ・ギター・ブック] Vol.35 (シンコー・ミュージックMOOK)jazz guitar book vol.35を入手。特集はジャム&グルーヴ。ジョンスコへのインタビューなどをメインに、ジャムバンドについて考察されている。今までジャムバンドなるジャンル(?)は考えたことなかった。それにしても、このムック、次々と特集ネタを思いつくものだが、内容の充実度は、世界中探しても類を見ないレベルだと思い、いつも感心してしまう。

ジョンスコのインタビュー記事では、Avi Bortnick アヴィ・ボートニックについて書かれていて、その顔写真を見て、思い出した。2003年にRochester, NYでジョンスコのライブを観に行った時にステージにいた一人だ。ステージにノートパソコンを持ち込んで操作していたギタリストで、「この兄ちゃん何してんねん」って感想を抱いた記憶があるが、ジョンスコにとっては信頼できる仲間だったのね。よくよく調べてみると、おそらくあのときドラムを叩いていたのはAdam Deitch アダム・ダイチだったようだ。私が目の前で観た・聴いたのは、いわゆるuberjamの主要メンバによる演奏だったということか。なんちゅーええ加減なリスナーや。

さて、他にはMike Morenoのインタビュー記事も。彼のセミナーに参加したことが記憶に新しいが、その時と同じ印象の、ややお疲れに見えてしまう神経質そうな表情の写真。リーダとしては今回が初めての来日だが、2005年にはJoshua RedmanのElasticのバンドで来日していたそうな・・・って読み飛ばしそうになったが、そのJoshua Redmanのライブ、観に行ったぞ。そういえば、神経質そうなギタリストがいて、浮遊感のあるプレイをしていて、ライブ後にカウンタで何か飲んでたから妻が声をかけて、私も少し会話をした記憶があったが、あれがMike Morenoだったのか!

他にも、菅野義孝師匠による目からウロコのジャズギター講座はマイナー・ブルース、竹田一彦師匠のアルバム「I Thought about You」発売記念ライブ記事など、盛りだくさんな内容となっている。じっくり読んで楽しもう。

津原泰水「ブラバン」

ブラバン (新潮文庫)

1980年、吹奏楽部に入部しコントラバスを演奏した主人公。高校卒業後、四半世紀が経ってから再結成の話が持ち上がる、というストーリーの小節。なんとなく書店で見かけて、買った。私自身はブラスバンドの経験はないし、管楽器は全く演奏できないのだが、このところ大学時代のギタークラブに何度か足を運んだり、先輩や同級生や後輩のボチボチ音楽に触れているという近況を聞いたりしたことと共鳴したので、読むことにした。

40歳を過ぎてからの再結成というあたり、今の自分に重ね合わせて読んでしまった。赤字のバー経営という、トホホな感じの主人公の設定も、なんかリアリティがあってイイ。

この本、作者自身も経験者らしくてやたらと音楽や楽器について詳細な描写がある。このあたり、読者を選ぶのかもしれないが、逆に音楽好きの人間にとっては、わりと引き込まれるものがある。

派手な映画のような大きな感動があるわけではないが、地味なわりに情熱的だった青春、四半世紀を過ぎて現実が見えてきてからの音楽に対する思い、など、共感し感情移入しながら読んでしまった。

Miles Davis “Kind of Blue”

なんか、ここまでの名盤をあらためてブログに書くのは、恥ずかしい気がするな。

正直に白状すると、Miles Davisの名盤 “Kind of Blue”、実は、ちゃんとした(?)CDで持っていなかった。友人の誕生日に買ってプレゼントしたりしたことはあるが、私自身は持ってない、と(笑)。その代りに、ジャズを聴き始めた十数年前にレンタルCDを借りてきてMDに録音したものを、今まで聴いていたのだった。

師匠Bob Sneiderからの宿題で、生まれて初めて耳コピーなる行為をしたのも、この盤の一曲目”So What”。この曲のMilesのソロをコピーしたのだが、今となってはわかりやすいソロも、当時は必死で取り組んで譜面におこしたものだった。今でも、このMilesのソロはほとんど憶えている。

最近、ようやくCDをちゃんと買って、あらためて聴き直してみると、以前は聞こえてこなかった音もいろいろ聞こえてくる。So What、非常にシンプルな構成の曲ながら、ここまで深みのある音楽として響かせるというのは、やっぱり凄い。モードという手法の可能性に目をつけて一つのスタイルにまで昇華させたMilesは、やはり凄い。

でも、なぜか、ギターで今、モードの曲を弾く気にはなれない。私には難しい。Bob Sneiderのレッスンでこの曲のソロをやった時には、すぐに小節数がわからなくなって困ったが、そういう問題以前に、どうもモードでのソロは今の私には難しい。もう一度、Milesのソロを復習してみるか。

カインド・オブ・ブルー+1

京大教養部からギタークラブBOXにかけて歩く

学生集会所のお別れ会を、ギタークラブ現役部員が企画してくれていたので参加するつもりだったのだが、同級生だった「仏」が仕事をやりくりして関東から来て日中だけ京都で会えるという連絡が入ったので、日中から京都市内に入ることにした。

出町柳駅で十数年ぶりに仏と落ち合う。学生時代よりはだいぶ太った仏。ますます太い音でギターが弾けるであろう。出町柳駅の構内、昔から変わらんなぁ。地上に出れば叡山電鉄の乗り場。風情があってええわ。

仏と二人、つまりオッサン二人、炎天下の京都を東に歩く。やはり「このあたり昔と変わらんなぁ」と言いながら、歩く。オムライス屋自体はあるが、店名は変わったかな?いや昔のままかな?百万遍からさらに東に入って、まだまだ歩く。昔の飲食店は、ほぼそのまま営業してる。新福菜館って、仏によると昔からあったとのことだが、そうやったかなー?

京大北部キャンパスを過ぎて、さらに東に歩く。一つ目の目的地、天下一品銀閣寺店に到着。二人で入る。午後の2時前やから、店内はガラガラ。よかった。クーラーもそこそこきいていて、助かった。久しぶりに天下一品を食べるという仏。私自身は、たまに食べているが、この銀閣寺店は学生時代に頻繁に通った場所なので、懐かしい。ま、この数年、たまには訪れて店のオッチャンともしゃべったりしているのであるが。そして、まさにこの場所で、学生時代には仏と二人で音楽やらアホなことやらを夜中まで語り合って深夜3時に閉店で追い出されるということがよくあったのだった。

今回も、気付いたらラーメン食べ終わってもずっと語り続ける二人。そろそろRhymin’に移動しようということになり、店を出た。再び炎天下を歩く。皿うどんの「まつお」の所で今出川通を南に渡り、京大本部キャンパスの東側の道を歩く。このあたりも、やはり全く変わっていない。吉田神社の所で道は西に折れ曲がる。仏の学生時代の2軒目の下宿だった建物を遠目に眺めつつ(こういう下宿屋って、今でもやってるんやろか)、道なりに歩いて本部正門で時計台を見る。

そして、東一条通をはさんで南側の教養部(今は教養部とは呼ばないが、自分にとっては教養部だ)。ここは学生時代とは全く別の姿になっている。綺麗すぎて、おかしい。京大っちゅうのは古くて落書きだらけで汚いのがいいんじゃないのか?

でも、私の就職前の頃には、新しい建物になりつつあったかなぁ。あまり憶えていない。

昔(昔って言ってしまうのがイヤやな)、A号館と呼んでいたのがこの建物になったのであろう。んー、なんじゃこれ?

このA号館跡の建物の正面あたりで右に曲がり、グラウンドのフェンスの所に出た。グラウンドと、そのフェンスにある掲示板は、以前のままだ。よろしいんじゃないでしょうか。

「現代物理研究会とかいうサークルの部室があって、実態はバンドの音が聞こえてきてた」と仏が言うが、どうも記憶が明確に蘇らない。と思ってたら、部室棟(って呼ぶのか不明)が見えた。そうそう、そういえばこんな感じだった。これも変わってないのだな。

そして、その南側の建物は吉田食堂のはずだが、これは今もやってるんやろか?

さて、仏が「この先が図書館で云々」と言うので、「吉田に図書館なんてあったっけ?」と言ったが、本当にあった。

「全く記憶にない」と言ったら「そら、お前は図書館なんて行ってなかったから」とのこと。まぁそれが正解であろう。

本部構内には立派すぎるくらいに立派な図書館があるから、そっちばっかり印象にあった。でも、よくよく思い返してみると、なんかこの吉田の図書館にも、来たことあるような気もするのよねぇ。でも忘れたな。

京大教養部の名物であった「怒る人」の胸像は、もうないんやなぁと言っていたら、その胸像の写真を発見。

ほうほう。この人は折田先生という人なのか。京大と関係ある人だろうとは思ってたけど、三高時代の校長だったのか。

胸像自体は、やはりもうないのだろうか。ん?この解説の最後に「どうか折田先生を怒らせないでください」と書いてある!すごい。京大は、やっぱり冗談のわかる大学やな。

図書館の南側、昔はE号館とか呼んでたあたりかな。建物は新しく綺麗になった印象もあるが、配置自体は昔から変わってないような気がする。

仏と二人で、ここでドイツ語の授業をとったなと会話。シューベルトとかのリートの歌詞を題材に授業をやる教官で、授業の発表で点数をとれない奴は最後の授業でリートを一曲歌い切れば単位くれてやる、というものだった。

しかし、どっちかというとこの建物は夜にギターを練習しに来る場所という記憶。京都学生ギター連盟のパート練習もここでやった。

麻雀かギターかで夜を明かした後に、この中庭でギタリスト北口功氏とキャッチボールしたこともあるな。

そして更に南側、吉田キャンパスの最南端、ここが吉田寮の裏側。たまに授業に顔を出した後、ここを通ってBOXに戻ったものである。

雨が降ったらものすごいぬかるみになっていたと思うが、この日は歩きやすかった。しかし吉田寮の建物は、あらためて見るとやはり古い。学生時代はこういうものを普通の風景として認識していたから、恐ろしい。ではなくて、素晴らしい。

この明るい日差しは、今も昔も変わらない。真夏のきつい照りであるが、自分には春の新入生を照らす日差しを彷彿させる。今でもここに立つと、フレッシュな気持ちになりそう。というか、授業を抜け出してBOXに向かうアホな充実感が蘇ってくるだけだが。

まぁ、ここを通らずにもっとマトモな学生生活を送っていたら、今頃は多少なりとも立派な人間になってたんじゃないかとも思うわけだが、自分にとってはそんな仮想のシナリオはないのだな。

いったんは学生集会所を通り過ぎてRhymin’に行き、さっきラーメン食ったけどサンドイッチとコーヒーでしゃべくって、マスターとも話したりしてBOXに行ってみた。そして、そのまま夜のBOXお別れ会に突入。夜中まで語ったり、途中でギタリスト塩谷牧子さんにも来ていただいてしゃべったりして、BOXを後にしたのは夜中の1時か2時か、よく憶えていない。

これで、あの古いBOXやBOXに行く吉田寮裏の小道ともお別れ。新しい道は、自分で作ってゆく。

京大学生集会所(工事開始)

先日書いた、京大学生集会所。取り壊しの前に、OB・OGでこじんまりと集まって居酒屋で飲むことになった。少し早めに着いたので、明るいうちに再度、BOXを見てみることにした。

なんと、東大路通から大学の敷地への入口が、ほとんど封鎖に近いくらいの状態になってる。

一応、右横の隙間みたいな所から入れるようにはなっているが、既に、ここから吉田寮を正面に眺めることはできなくなってしまったということだ。

学生集会所の取り壊しは8月と聞いていたので、この時期ならこれくらいは当然なのだろうけど、いよいよという感じで少々寂しい気がする。

東大路通から大学の敷地に入り、ひとまず学生集会所を通り過ぎて、吉田寮に向かって進む。

吉田寮の入口の少し手前、左手(北)にある、吉田寮食堂の跡地。私が学生の時、ここは(おそらく)既に食堂としては機能しておらず、軽音楽部や演劇部の練習場所になっていた。前衛演劇なのか何なのか知らんけど、「宇宙人が来た!」みたいな台詞を練習してる人がいたな。時々軽音のライブもやってた。

この廃墟のような建物の中に、あれだけの学生の若いエネルギーが充満して破裂しそうになっていたのは、すごいことだ。

この看板によると、「吉田寮食堂は京大最古の建築物」だそうな。かなり古いのは一目瞭然だが、最古ってホンマなのか、どこまで信じてよいか不明。ホンマなら、じゃあ食堂よりも吉田寮の方が後に建てられたということか。

「補修、存続を!」と書かれている。数十年前から吉田寮の取り壊し案と反対運動は繰り返されてきたのだった。今回の取り壊し決定については、どんな議論が行われ、どんな決着に至ったのだろうか?

吉田寮が建て替えられたら、食堂も綺麗になるんだろうか?綺麗な吉田寮も綺麗な吉田寮食堂も、全然、想像できないんやけど。

で、その内部。この日のこの時間は、練習とかイベントものなどは特に何も行われていなかった。

私自身がここを利用したのは、教養部の授業とギタークラブの行き来の時と、自販機で飲料を買う時くらいだった。

飲料自販機の位置が奥になっていた。私の学生時代は、手前にあった。

東大路通の方に戻って、学生集会所。これを撮影した私の背後は既に仕切りが立てられて工事準備に入っている様子なので、この建物自体の画像は以前と変わらないとはいえ、なんか気分が異なる。

入口のみならず、建物内でもオーケストラの練習音が酷い。学生時代から、この建物内の廊下でオーケストラの楽器練習は禁止されていたが、それでも迷惑を顧みず練習するオーケストラの団員が多かった。今もルールが変わったとは思えないが、変わらずオーケストラ団員はここで平気で練習してるようだ。

それにしても、この風情ある建物が取り壊されるというのは、まだ何となく信じられない気がする。

さて、この後、OB・OGの4人で2時間ほど近所の居酒屋「よろずや」で飲み、再び戻ってきてBOXに突入してみた。

BOXには現役部員3人と、若いOBが2人。宴の最中であった(ギター練習せんかい!笑)。「古いOBです」と言って入った。「いつごろ(卒業)の方ですか?」「昭和から平成にかけてです」みたいな話をしつつ、BOX内を見渡す。

んー、BOX変わってない!以前は窓際にあった巨大な机が、今は室内中央あたりに配置されている。

なにっ、冷蔵庫がある!羨ましい!私の部員時代は冷蔵庫なんてなかったので、先輩が実家から持ってきたウイスキーなど、割って飲むということができず、いつもストレート、ノーチェイサーでちびちび飲んでた。そのせいで、今でもウイスキーを紙コップなどに入れてストレートでちびちび飲むと楽しい気分になる。

窓や壁もそのままで、おそらく全く変わっていない。東側の壁なんぞは、酔っ払ったS先輩が「俺は〇〇だ!」と自分の名前を書いた数日後に酔いがさめて反省し、白いペンキで自らの落書きを上塗りし、余計に醜いものにしていった、そのままになっていた(1990~1991年頃の事件)。

このBOXがいよいよ取り壊されるというのは、やはり実感があるようで、ない。でも本当なんやろな。何度もこのネタを書き込むのも情けない気がするが、ま、ええやろ。

Kazuhiko Takeda Trio “I thought about you”

I Thought about You / Kazuhiko Takeda Trio

師匠・竹田一彦氏の新作。遂にギタートリオによる作品。前作までと同様、スタンダードが中心。

Amazonで予約してたけど、手元に届いたのは発売日よりだいぶ遅かった。ま、ええか。いや、良くない。こんなすごい名盤、一日でも遅れて聴き始めるのは大きな機会損失だからだ!

とにかく素晴らしい。暖かいのに決して甘ったるくない音色、明快で色気のあるフレーズ、驚くほどカラフルでお洒落なコード、そしてリスナーに与えるグルーヴ。ジャズギターの一つの理想だ。一曲目I Thought about Youから最後のSt.Louis Bluesまで、この心地よいサウンドに酔いながら、あっという間に聴いてしまう。

今年77という年齢を全く感じさせないこの名演、本当に世界に誇る巨匠。これまでのアルバムの演奏をいくつか聴いていると、なんか、今も進化し続けられているようにすら感じる。それくらいに、この最新盤は素晴らしい。

この珠玉の一枚を聴かずにジャズギターを語ることなんて、想像できない。